異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

椿油・菜種油

採光や調理など今でも昔でも必需品といえる『油』。その油の入手方法は、植物性油はオリーブ、パーム、ひまわり、椿、サザンカイヌザンショウクルミハシバミなど多岐に渡り、動物性油も牛・鹿・猪、日本の古来ですと鯨油なども利用していました。今回は一番メジャーで入手しやすいと思われる椿油と菜種油の入手を試みます。

ツバキ(ヤブツバキ

庭園や公園でよく見かける常緑広葉樹。高さは6~10m。見分け方では無いんですが、種を利用するので綺麗な赤い花が目印かと。似たような種類のサザンカもツバキと同じように油を採取可能。花は11月~4月頃、花は味はありませんが、天ぷらにするなどして一応食用可能です。

少しだけ注意点があって、街や都会でもよく見かける木なんですが、栽培品種のツバキは品種改良で結実しないor結実しても量が少ないです。行政的に種が落ちて云々だと面倒ですからね・・・。そのため、油を取るには暖地の山林に自生している『ヤブツバキ』という品種を頼ることになります。

また、チャノキ・ツバキ・サザンカの葉には、『チャドグガ』というヤバイ毛虫が居ます。触れるのは言うまでも無く、風下や木の下でも、皮膚炎になり猛烈な痒さを伴うことがあります。致死性はありませんが、毛虫の痒さは夜眠れないレベルできついもので、特にこの毛虫は2週間~以上症状が継続するので本当に注意。

菜の花

菜の花が何処にありますか?って言われると逆に困るんですけど、川原とか田畑とか草原とかその辺に生えてると思います。北海道とかでも綺麗に咲き誇るのが有名ですね。3-6月頃に黄色い花を咲かせて、そのあとに種子が出来ます。

厳密には菜の花っていう花はなく、アブラナ科アブラナ属の花を全て菜の花と呼びます。このブログで利用したい土手によく生えてる菜の花は『セイヨウアブラナ』『カラシナ』になります。2種類の見分けもありますが、結局同じように利用できるのでここでは割愛。

菜の花自体が野菜だったこともあり、『セイヨウアブラナ』『カラシナ』共に薹が立つ(花が咲く前)の若芽や地上部は一応食用可能です。野生のモノはアクが強いのと、菜種油もそうなんですが日常的に長期摂取していると身体に悪い可能性があります。

・・・が、まぁ、現世界では気をつけても良いと思いますが、資源が限られてる異世界や文明崩壊後の世界では気にしてられないので、ガンガン利用していく方針でいきます。

椿油・菜種油の採集

両者ともに種子から油を採集しますが、オリーブのようにそのまま力任せに搾っても1mmも油は取れません。油を採集するには、種を砕いて蒸してから搾る必要があります。

 

①種子を採集。

椿の場合は、9~11月に木の枝に付いてるモノを取るか、落ちてるものを拾うか。落ちてから時間が経っても獲れるが品質は落ちる。

菜種の場合は6~7頃の色が変わった地上部を採集して稲の様に叩いて種を回収。

 

②天日干しで乾燥させる(現代や急ぐ場合は加熱する場合もある)

椿の場合は実を3~5日天干しすると、パカっと外皮が開くので、中の黒い種子を回収しさらに3~5日天干し。

菜種の場合は種のまま、3~5日。種以外の不純物はなるべく取り除く。種が大量の場合、種で種が隠れる場合があるので適度によく混ぜて日の当たらないものが無いように心がける。

収穫して乾燥させずに放置しておくと品質が悪くなるため、採収後すみやかに乾燥させる。

 

③種子を細かくすり潰し、5-6分程度蒸す。

椿の場合は、ここで殻を剥く。外皮は堅果なので石で叩き割る。細かくするのも一苦労だが、臼などがある場合はそれを利用、なければ木・骨・石で気合で粉状にする。

菜種の場合は、可能ならばふるいにかけて種と不純物を分ける。種の方が質量が重いので息を吹きかけて飛ばすのも可。こちらは椿と比べるとサイズは小さいが、こちらも粉状にすり潰す。

蒸す時間は5~6分程度。あまり長く(1時間とか)やり過ぎると逆効果。

※蒸す

そういえばこのブログで蒸し器を創ってません。土器を創れる状態でしたら上記の様に、真ん中だけ盛り上がってる土器とその上に乗せられるくらいの土器の2種類を作り、上に石か何かで蓋をすれば蒸し器の代用になると思います。

 

④袋に入れて搾る。

古来に油を搾る道具に「長木」「しめ木」とかあるのですが、要は木工で万力のような物を作ったってことですので、めちゃくちゃ重い石を乗せて付加をかけるとか、体重かけるとか、テコの原理で負荷をかけるとかで種を圧縮してください。

そうすると、種から油を搾れますので、流れ落ちた油を土器などの容器に流れるようにして置き、それを回収します。

上質な油が欲しい場合は、その回収した油を10日ほど置いておき、上澄み液を回収します。

ちなみに搾りカスを再度粉砕⇒加熱・・・と同じ作業を繰り返すともう一度油(二番搾り)を採集出来ます。

搾りカスは主に農業の土壌に肥料としてまかれます。(菜種油のカスの方が、椿油より土壌効果が高い)

 

 

『油』があって何が出来るか?なんですが、まず火を付けて明かり『採光』がとれます。刀剣などの手入れにも使え、料理でも天ぷら(衣ないので素揚げですが)が可能になり、昆虫料理など焼く以外でもレパートリーが増えます。椿油は、今でもシャンプーによく使われてる様に髪の整髪料としても利用可能で、菜種油は伝統的な鞣しの一つ、白鞣し革に使われます。また、カリウム石鹸は油+木灰で作成可能ですので、獣脂で創る石鹸より椿油や菜種油で創る石鹸の方がより現在の石鹸に近くなると思います。