異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

石鹸(カリウム石鹸)

登山に一度でも行った方なら分かるかと思うんですが、大いなる自然の中で単独で行動してる際に、体調不良・骨折、低体温症などによる行動不能に陥ると、詰みに近いです。

異世界転生時のサバイバルモードも、回復魔法を持っていなければ、細菌などによる病状悪化は、確実に詰みの要素の一つになります。食料確保や、石器による作業などで、擦り傷や切り傷が出来やすい状態になりやすく清潔にしていなければ、そこから化膿の恐れもあります。まさに、ドクターストーンですね。

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上記のような固形石鹸を作れれば、持ち運びや利用に便利なんですが、まずは液体石鹸から作っていくことになるかと思います。今現在の世界に溢れている、固形石鹸はナトリウム石鹸と呼ばれる苛性ソーダ劇物指定)、水酸化ナトリウムを使う石鹸がほとんどだと思います。(俗にいう手作り石鹸も概ねこれ)

水酸化ナトリウムを入手するには、食塩水を電気分解(塩酸と水酸化ナトリウム)する必要がある(いや、水酸化カルシウム 炭酸ナトリウムを両方水に溶かして、混ぜれば手に入らなくも無いんですが・・・、序盤の序盤でしたら炭酸ナトリウムより炭酸カリウムの方が、断然手に入れやすい)ので、まずはこれから作っていきましょう。

 

石鹸の作り方は、凄い簡単にいうと、油脂(動植物どちらでも可)+灰汁で作成可能です。一番最初の起源は、生贄の動物を焼いていた時に雨が降り、動物の油脂と灰汁が混ざって出来たのが、一説だと言われています。

一応、石鹸作るまでは、灰汁、米汁、大豆汁、うどん粉、洗濯にはアンモニアなどが使われていたそうです。無かったら、代用品でこの辺りも覚えておくといいかもしれません。

木や植物を燃やした灰(水で消したり、雨に濡れたりすると石鹸の素材の炭酸カリウムが流れてしまうので注意)を、水に混ぜ時間が経つと、分離するのでその上澄み液をすくう(ろ過が出来れば、なお良し)。

これを熱したところに、油(オリーブのような植物性でも、動物の脂肪の油脂でも可)を混ぜると石鹸が出来始めるので、そのまま煮沸させて冷やせば、液体というかぐちゃぐちゃした石鹸が出来ます。ちなみに動物性油脂の石鹸の場合、臭いがやばいらしく、そのため、いい匂いのするオリーブ製の石鹸が爆発的に普及したそうです。・・・このカリウム石鹸、飽和食塩水(をこれ以上溶けなくなるまで水に溶かした水)を混ぜると、固形に出来るとも聞いたのですが、実験する環境に無いのが残念です。塩なら最序盤で入手可能(というより必須)ですので、試してみたいところです。

 

(追記)紀元前50年頃、羊の脂肪+ブナの木灰(カリウム石鹸)に食塩を加えて、少し硬い石鹸を作った話がありました。今の固形石鹸のように固いわけじゃなく、チーズぐらいの固さなんでしょうが、液体石鹸と使い分けは出来そうですので、用途によって食塩を加えてもいいかもしれません。

 

汚れとか落とすなら、水や例えば温泉(適温の源泉にあえるという豪運が必要ですが)で十分じゃないか?と思う方もいられるかもしれません。汚れは落ちるんですが、油汚れ(人間も動物性脂肪が出ますので、それで衣服が汚れていきます)が落ちません。

水と油は、本来混ざり合わないのですが、これを混ざるようにするのが『界面活性剤』と呼ばれる物質です。石鹸を作るとは、この界面活性剤を作ってることになります。

 

漫画のドクターストーンの裏の主役とも言えるのか、石鹸=科学って感じがしますね。石鹸も含めて製品化されていて、それを取り扱うだけの企業が現存してる場合、いろいろ奥深いものがあります。石鹸も、身体を洗うだけじゃなく、合成洗剤だの工業用石鹸だの調べると、単純な世界じゃないですね。

 

石鹸の話から少し話がそれるんですが、そろそろ自然銅あたりを発掘して「これからは銅の時代だぜ」・・・ってやりたかったんですけど、銅を含めた鉱物採掘するのに、火が無いと真っ暗だと最近気づきまして。鉱山や鍾乳洞に入山するための、種火になる油が必須ですね。

銅⇐油で、油を手に入れるにはオリーブを入手できない場合、菜種油などの種子からの抽出になるんですが、オリーブと違って単純に力づくで搾れるものではないですね。もういっそのことヤシの実生えてないかな、と考察を放棄したくなりましたが・・・そんな感じで裏でうぅー言ってますので、もう少しサバイバル原始時代をお楽しみください。