異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

葛(くず)・葛布・葛粉

グリーンモンスター』という雑草をご存じでしょうか?

雑草の『葛(くず)』のことを指すんですが、雑草を刈り取っても、二週間後には原っぱを埋め尽くし、木などに絡みつき木を枯らし、太陽光発電や電柱などを襲う高い繁殖力を持つ野草です。しかも、除草しようにも本体は根っこで、地中を海中ケーブルの様に網羅しているという手ごわさ。

 

雑草としては最強で、現世界ではほとんど邪魔以外の何物でもない存在なんですが、その分、自分たちの身近に頻繁にお目にかかることもあります。特に人手の入ってない原っぱなどは埋め尽くすほどある場合が多く、全人類が石化した後や文明崩壊後であれば、もしかしたら直ぐに見つけられる野草かもしれませんので、有効活用を覚えておきましょう。駆除の方法は、別枠だと思いますので他のブログを参照にしてください。

 

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葛(くず)

秋の七草の一つ。先ほども述べたように、人手の入ってない原っぱや山などに大量に発生しています。写真のように7月~9月にかけて藤の花の逆さバージョンみたいな紫色の花を咲かせます。

葉っぱはでっかい三つ葉と言えばいいのでしょうか?三つの小葉が90°ずつ三枚生えています。葉の裏は灰白っぽく、葉や茎に毛のようなものが付いています

食用箇所は、新芽(ツルの先をポキっと折って採取)と新葉、味はしませんが花です。なお、この葉っぱは牛や馬などが好んで食べるそうです。このブログではそこまで進んでませんが、家畜まで飼えるようになったら、採収して食べさせたいですね。

・・・人が食べるには、重要な問題がありまして、先ほども書いたように葉や茎に毛のようなものが付いているんですよ。つまり、焼いて食べるとこれが取り除けないため、触感最悪ですね。なんで天ぷらが一番お薦めなんですが、異世界初期は難しいので、我慢して食べるしかありませんね。

ちなみに、葛の根を細かく刻んで乾燥させたものを葛根といい、葛根湯の素材の一つです。また、葛の花を乾燥させると、二日酔いの薬にもなるそうです。

 

葛布

どちらかというとこっちが本題。葛のツルは、以前作り方をブログで書いたの作成素材や序盤の簡易の家やベットなどを結ぶ紐代わりにも利用できるんですが、蔓から繊維を取り出し糸を取り出すことが出来ます。以前、糸・紐の作成ではカラムシ(苧麻)を推奨しましたが、状況によってはこちらの方が手に入りやすい可能性もあります。

①6~8月頃、小指程度にはある程度成長した、木に絡まっていない葛のツルを採取します。一応、品質にこだわるのならもう少し条件があるみたいですが、選り好みとか商売用では無いので割愛。

➁切って採集したツルを、なるべく早く20分程度煮る。煮たツルをすぐに流水につけた後、青葉(緑色の葉っぱ、推奨はススキの葉だが、葛の葉などでも良い)でツルを包む。青葉で風呂敷の様に上下を包んでもいいし、穴掘って下に青葉引いて、その上にツル置いて、さらにその上に青葉を置いて埋めてもよい。

③3~5日程度経つと、ツルが発酵して白い繊維が出てくる。(②の煮る時間もそうだが、発酵のさせ過ぎに注意)そうしたら、川で洗い流し、中の芯を引き出す。

④③を天干しにして乾燥すれば、繊維の完成。

・・・布とか織物とかが進んでいなかったのは、カラムシが大量に手に入るか疑問だったから。この葛からの繊維は大量に手に入る可能性が高いですね。原始時代に、一人の服携えるのに、一日8時間以上で一年以上かかると言われています。服に関しては、布じゃなくて革に頼る必要があると思うんですが、濾過用の布は一枚は欲しいですね。

 

葛粉

葛餅って食べ物知っていますか?あれは、この葛の根から採れたでんぷんを使って作っているお菓子です。理論上(ここ重要)、布さえあれば(やりかたによっては布なくてもイケるかな?)、葛から葛餅の作成も可能になります。

 

葛のでんぷんは、根っこに溜まっているのですが夏や秋に光合成したものを、冬にでんぷんとして蓄えられます。ですので、

厳冬期に、普段雑草刈りとかで夏・秋に葉を定期的に刈り取っておらず、大きく成長した葛の根を山から採取。見分け方は、根っこに傷を入れて白い液体が出てくればでんぷんを多く保有

※まず、前者のツルの採取、新葉、新芽、家畜のえさ、もしくは刈り取って燃焼剤や腐葉土の素材にするという行為に、よく光合成させ成長させるということで相反している。加えて、葛の根は地中にある上に、ケーブルみたいに張り巡らされており根っこを探すのが非常に大変な上に、文明破壊後はシャベルどころか木の棒で穴掘らなければならず、労力に割り合うか不明

②採集した葛の根を、木の棒や石で叩き、繊維をちぎって粉々にする。粉々にした葛の根を布(さっき書いた葛布でなんとか作成可能か?)に入れて、水中で何度も揉みだしでんぷんを獲る。

③黒っぽい水が出来ると思うが、一晩(状況によって2~3日)すると、下に白いでんぷんが溜まっているので、上の水を捨てる。一応、この状態でも④に行けるが、アクが強く苦いため、水を新しく足して混ぜる→沈殿させる→上澄み液を捨てるを繰り返すとアクが抜けて美味しくなる。

④③の物を布や天日干しで水切りすると、軽い白い石膏のようなものになる。あとはそれに水を混ぜて熱すれば餅のようになる。

 

ちなみに、葛の根に対してでんぷんの量は10:1だそうです。まぁ、科学の世界じゃ炭酸ナトリウム炭酸カリウムのように1000:1の割合でしか採取出来ない物質もありますので、たくさん獲れる方かもしれませんね(白目)。個人的には、冬に獲れるってのがポイントですかね。春~秋と違って、狩りや野草の採集が難しい冬なら採集する時間も・・・あるのかもしれないし無いのかもしれません。

 

文明破壊後の石化後の世界って葛で覆われていてもおかしくないんですよね。木々が枯れて葛だらけの世界になってたら『詰み』に近いですけど。木材こそ人類に一番最初に必要で常時必要な物資だと思います。

利用価値が無い植物では無いんですが、他の木々を枯らして埋め尽くすのは大問題ですよね。植物に抽入したら、根っこごと枯らすみたいな除草薬が出来たら便利だけど、他の植物にも有効だと悪用されますか・・・。