このブログでは0からスタートを基調としてますが、異世界やタイムスリップなどで、最初に現代知識が『必須』になりそうなのは、農業の収穫率を上げる知識の可能性が高いかもしれません。
農地での最大収穫は、農業の最大の命題で、教授とかが研究してるテーマであり、あくまで『付け焼刃』程度で、農業初期に使えそうな知識を記載しておきます。実際は、土の状況とか気候など、状況に応じて使える・使えない場合、やったからって『絶対』増える訳ではありませんが、知識0よりは良い程度だと思ってください。序盤のムーブの参考程度に。
土起こし
畑の土と、公園の土が全然違うのは、誰でもわかる話だと思います。作物を育てるには『ふかふかの柔らかい土』が適切で、堅い土に埋めても育ちにくい・育たないです。
異世界転生・古代文明で新たに農業始めるなら、『開墾』がスタートになります。土を鋤やクワなどで耕しつつ、小石などを取り除く。
0からの場合、そもそも『開墾』が凄く大変なんですが、スコップっぽい何かや、くわっぽい何か(鉄がなくても、石+竹+紐で近い物は作れる)で頑張るしかないですね。小石や岩の除去(無理そうなのは最悪諦める)など含めて、ある程度の広さの畑作るなら、気が遠くなる作業ですが、人海戦術などで頑張るしかありません。
石灰・PHの調整
土を起こしたら、一番最初に土のPHを調整するために、石灰を撒きます。作物は基本『中性』の方が育ちやすいですが、ほっとくと基本酸性に傾きやすいです。また、石灰(貝殻の粉とか)にはカルシウム分が多く含まれており、それも作物の成長を促進します。
古代でどうやって土のPH測るの?に関しては、『アサガオ』でリトマス紙のような物を作れます。1㎡に100~150gでPHが1上がる計算らしいです。当たり前なんですが、あげ過ぎても効果が無いので、適量入れて土によく混ぜる。
その後、2週間~1か月間は、以下の『堆肥』を入れない。最初に入れる理由なのですが、他の堆肥・肥料と反応して、ガスが出たりなど逆効果になるためです。
これから初めて作物育てようとする畑なら、『腐葉土』を混ぜたいです。混ぜすぎてもダメなんですが、土2:腐葉土1くらいで混ぜると効果的。
腐葉土とはなんぞや?って話なんですが、単純に言うと『分解(発酵)された落ち葉』。そのため、『土』なんですが土では無く、葉っぱがボロボロになってて『土に見える』が正しいかと。暗褐色の土の様になってますが、触ったり踏んだりすると『ふわふわ』の感触がします。
自分が田舎育ちなのもあるんですが、これ『山に普通にあります』。
放置された落葉樹の山(針葉樹は葉が落ちない)とか、土や落ち葉が溜まってて流れない排水溝とかに、こういう葉がボロボロになった暗褐色の土のふわふわ感触、自分いくらでも見たことあるような気がします。
現代社会だと、山から土持ってくるの『違法』なんですが、異世界転生・古代文明なら、超長期間放置された山々があるはずなので、そこから腐葉土運んできて、最初の畑なりに混ぜれば良いと思います。
尚、腐葉土は作り方にもよりますが、基本『土壌改良』なので、植物や土地に栄養を与えるモノでは無いとの考えらしいです。土のPHを調整する『石灰』と同じで、土の状態を改良するのに使います。
腐葉土の作り方
最初の畑などは、『山から入手』で良いと思うのですが、何かしらの条件で出来ない場合(現代の様に山から土が運べないなど)、半年~1年はかかりますが、腐葉土を自分で作ることも出来ます。大量の畑を作る場合や、『コンポストトイレ』の基剤になるので、覚えておいて損は無いかと思われます。
※微妙にみんなやり方が違うのですが、大まかな方法を覚えてあとは、トライ&エラーで。
腐葉土の作り方だと、ほとんど『米糠』を使うのですが、一応『落ち葉+水のみ』でも作れます。
(※米ぬかを使う理由は、その方が発酵が促進されて早い、成功率が高いなど、多々メリットがあるため。このブログだと米ぬか手に入らない・入手が難しい状況もありそうなので、やや難しくなりますが、『落ち葉+水』を推奨。)
①落ち葉を集める。秋ごろに地面に落ちてる枯れた落葉樹の葉を掻き集めるのが基本。
②平らな土の上で、風通しが良く、水が溜まらない場所に、雨が入らないように屋根のような物がある簡易ガレージのような物を準備する。
(※腐葉土は水分量の調節が大事で、野ざらしに雨にさらされると、水分量が多くなりすぎて駄目になる。現代でビニールとかポリバケツとかに入れるのは、雨を避けるため。地面がコンクリやビニールだと、雨が溜まり水分が下に貯まり続ける可能性がある)
③落ち葉全体に水をかける。水分量55%~60%が望ましく、軽く握って水を染み渡らせる程度。
(※米ぬかなどを入れる場合、このタイミングで全体にかける。米ぬかなどを使う場合は、栄養価が高まるので、作物によっては量・その腐葉土を使うタイミングに注意。)
④『落ち葉の下の土』を被せる。
(※発酵なので『微生物』さえ付いてれば、落ち葉だけでも発酵する可能性はあるのですが、確率上げるために微生物が居そうな土を加えたい。現代なら、納豆菌・ヨーグルト、発酵を促す菌も買える?らしいので、それを使うと確率があがる。
※少し矛盾してるのですが、風通しの良い場所で無いと駄目なんですが、空気が多すぎても駄目なので、四方を覆う(完全に密閉にはならない)・土の中に大きく隙間を作らないけど隙間がある感じだと良き。)
⑤月に最低1度(穴を掘って作ってる場合は月2~3回程度)、全体を搔きまわす『天地返し』を行う。この時、発酵が進んでいれば水分が減ってるはずなので、③と同じように水分をかけなおす。
⑥半年~1年程度、寝かせれば腐葉土になる。
(※米ぬかなどを使えば、2カ月とかでも可。このブログの場合は、最初はその辺から持ってきて来年用の腐葉土を作れば上手く周ると思います)
堆肥
主に必ず出るであろう、生ごみの処理と有効活用を兼ねた堆肥の作成方法。
①堆肥置き場の作成。『堆肥枠』と呼ばれる四角形の「底が無い」木の枠が一般的。一応、無くても穴掘って作る場合など有。必ず土の上にすること。(土の微生物で分解するため)また、悪臭、成功しても虫などが湧く可能性が高いため、作成場所注意。
②落ち葉や前述の腐葉土、土(落ち葉の下などの土が望ましい)と、堆肥にしたい生ごみ、野菜くず、または雑草などを用意する。特に生ごみを入れる場合、水分を切っておく。収穫した野菜くずなどでも同様。
(腐葉土同様、米糠があると促進が早まる。生ごみでも卵の殻・貝殻・骨などは分解できない・しにくいので注意。また、やらないと思うが散髪した人の髪の毛なども分解されないので注意)
③土・落ち葉・腐葉土⇒生ごみなど⇒土・落ち葉・腐葉土⇒・・・と交互に重ねる。生ごみの上に基材をかけるイメージかも。
④水分量の調節、腐葉土同様。水分過剰になりやすいが、なさ過ぎても駄目なので、上手く水分量を調節して足すときは足す。また、雨が入らないように上には雨除けを被せるなど対策をしておく。
⑤2週間~4週間程度に1回切り返す。また、悪臭がする場合は失敗してる可能性もあるので、その場合も切り返しなどをして対応する。成功していれば、白カビが発生する。
⑥堆肥は、夏・冬の時期などによるが、3カ月~半年ほどの期間が必要なので出来れば計画的に作成したい。また、未熟堆肥は作物にデメリットを与える可能性がある。・・・このブログの状況だとそれでも使いたい場合もあるかもしれないので、その場合は、種まきする数か月~1か月前に使うことで、一応使うことも可能。
(※堆肥のつくり方、文章で説明するのが大変、かつ割と大雑把に書いてるので、ふんわりこんな流れと思ってくれれば。①水分量の調整②土などの菌の付与③窒素・炭素物の量などを気にしながら、切り返しや風通し・熱などを気にすれば、成功率が高まる、と思う。
炭素率(C/N比)が重要でこれが高いと分解しにくく、低いと分解されやすいが臭いなどが発生しやすい。生ごみは低く、小枝は高い。理想は、炭素率が20~30。)
堆肥or肥料
堆肥は肥料じゃないのか?って疑問なんですが、「堆肥の中にも肥料の養分があるけど、肥料には足りない」ってのが自分の認識です。
生ごみや、特に油粕で堆肥を作った場合、肥料としても割と機能しそうな気もするんですが、上の腐葉土だと肥料分が足りないと思われますし、作り方次第ではある・・・ような気はします。今だと化学肥料と言う、即効性・肥料養分が全部揃ってる物があります。
そのため、現代なら堆肥≠肥料なんですが、古代だと堆肥=肥料になってる場合もありそうではある気がします。ちと、専門では無いので安易なことは言えませんが。
一応、上記が農業の序盤の土作りの一部(ほんとはもっと細かいですが、1記事では限界)で、異世界転生した時の参考になれば。タイムスリップした場合でも、堆肥とかはある程度やってるような印象はあるので、チートにはなりませんが、なによりまずより、農業、食い扶持が無いと産業の発展の仕様がありません。