ある日、食べられる雑草の本を読んでいると、秋田の方では冬に雪の下から掘って『ひろっこ』という食べ物を子供たちが食べる・・・みたいな文献を見つけました。他の春・夏・秋は、野草が豊富で食べ物に困りにくいんと思うんですが、冬に食べられる野草は貴重ですので取り上げてみることにしました。
秋にどんぐり溜めて、穴掘るか地下で保冷・保存して冬越すのがセオリーっぽいんですが、冬に搾取出来そうな魚や野草があれば保険が効きますからね。
ノビル
先ほど話題に出た秋田のひろっこなんですが、厳密には『アサツキ』の新芽だと言われていますが、地域によってはこのノビルも含まれるそうです。あくまで自分はなんですが、アサツキ???って感じですし、特徴が近く、一般的にもやや知名度の高いノビルをまず紹介します。
すっごい要約して簡単に言うと、野生のネギですね。高山以外の低山や原っぱ、沿岸部などの日当たりのいい場所・・・つまりその辺に普通に生えています。何処で食べたかは忘れたんですか、子供の頃味噌付けて食べたことある気がします。根っこの先が一口サイズのラッキョウみたいな形してます。
旬は春(3月~5月)みたいですが、冬でも採集可能な素晴らしい野草です。探すときの特徴は、5月~6月だったらムカゴ(種が集まった鉄球みたいな形)が濁った赤紫色という特徴があります。それ以外の季節でしたら、根っこに近い部分がネギみたく白と緑に分かれていて、縞々になっています。鱗茎は地面に埋まってますので、シャベル(異世界ならシャベルと同様の働きが出来る石や木の棒)などを携帯したほうが良さそうです。アクが弱いので生でも食べられますが、土はきちんと掃って洗いましょう。
・・・ただ、根元の方が白と緑に分かれているのは、スイレン(毒)・タマスダレ(毒)も同じ特徴を持っています。両者とも花が咲けば見分けが付く、タマスダレは球根が白ではなく茶色の皮を被っている、スイレンの球根もノビルと違ってラッキョウの形をしていないなど差はちょこちょこありますが、一番の違いはノビルは野生のネギなのでネギ臭(もしくはそれに近い臭い)がするのに対し、この二つは無臭なことですね。
スイレンとノビルを間違える事故は起きていますし、野草摘むのに毒草摘んでたら意味が無いので、葉っぱを切って匂いを嗅いでみるといいでしょう。自分が子供の時は、鱗茎のラッキョウしか食べた記憶が無いんですが、全草(先述のムカゴ含む)食べられます。
アサツキ
本題のひろっこ=あさつきの若芽。なんかスーパーに売ってるらしいんだけど、ネギやニラのところにアサツキもあるのかなぁ?あんまり食材コーナー覗かないんですけど、正直個人的にはあんまり馴染みのない野草です。
さきほどのノビルは日本なら全国その辺に生えているんですが、このアサツキは寒冷地に生えることが多く、日本だと北海道・本州・四国に自生しています。また、ノビルはむかごを植えてもぶっちゃけほとんど生えないんですが、こちらは種や球根で植生が可能なようで自生のみでなく、一部植生されています。花は紫色の花を咲かせます。
12月~4月頃、また花が咲く3月~6月にも全草食べられます。ノビルと違いややアクが強いので生食せず、少し煮込んでから食べるのをお薦めします。
このノビルとアサツキの違いですが、鱗茎の部分が違うとか葉の色が違うとかありますが素人にはぶっちゃけ分からん。ノビルと同じくネギ臭がしますので、それで他の毒草とは見分けをつけましょう。ノビルとアサツキの生えてる場所に野草『ニラ』も生えていることもあるらしいですが、それもニラ臭がしますので、白と緑の分かれ目を根っこに近い部分で見つける→葉を切り匂いを嗅ぐで判別していけばいいと思います。
別に植物博士になりたいわけでもないので、『ノビル』だろうが『アサツキ』だろうが『ニラ』だろうが、それが食用出来る野草であるならば、このブログの趣旨的には何の問題もありません。
ノビルは野草の中でも好きな人が多い印象ですね。いや、子供の頃だったんで、味とか触感は思い出せんのだよ・・・。なんかつまみみたいな感じで何本も用意されてたような・・・。野草だとタンポポみたく食べるのに「えっ・・・」ってなる食べ物多いと思うんですよ。ノビルは市販の野菜に近いんで食べやすい野草ではありますね。根っこに丸いの付いてて収穫の楽しみもありますし、一ヶ所にまとまっているので一気に獲れる成果もあげられますし。
・・・まぁ、それで腹が膨れるかと言われたら微妙なんですが・・・。ほとんど水分だった気がしますし。食糧難とか野草や木の実の手に入りにくい冬を想定していますので、その状態なら藁にもすがる思いで口に出来る物が欲しくなると思います。覚えておく分には損は無いかと思います。