※一応ですが、このブログは『異世界転生する前に』現代の知識を、過去で使えるよう勉強するブログになります。そのため、美味しい料理とか現代の趣味のパンとは趣が異なりますので注意。
天然酵母・発酵種(果実種)
パンを作るだけなら、水+小麦で捏ねて焼けば良いのですが、それは『フラットブレット』とか呼ばれるパンになり、自分たちがパン屋さんで見かける『パン』とは大きく異なるタイプになります。
食パンなどのふわふわのパンを作るためには、『酵母・ベーキングパウダー』を混ぜて発酵させる必要があります。現代でなら、100均でもベーキングパウダーを買えますが、古代でなら基本『酵母』一択になります。
『天然酵母』は、空気中にふわふわ浮いてることが多く、それがパンに付着して勝手に膨らむ・・・間違ってはいなのですが、やや運頼みになるため、自分で『酵母液』を作り混ぜた方が無難です。
この『酵母液』の作り方なのですが、基本『ぶどう酒(ワイン)』と同じです。果実酒も糖を『酵母』でアルコール発酵させてるので、その中に酵母があるのは道理。よって、果実酒及びその直前位をパンの『液種』として使うことは可能です。尚、同じ理屈でビールでも可(味はしりませんが)。
改めて『発酵種(果実酒)』の作り方を記載。
①果実の皮や種を『洗わないで』そのまま水に浸ける。このブログでは、ぶどう・柿などで作ることを推奨してますが、りんご・現代だとレーズンなどで起こす場合が多いみたいです。
(※洗うと酵母が無くなる。スーパーやパックなどで売られてるのは、物による。このブログでは、野生から採集することになると思うので不問。
酢(果実酢)で記載してますが、『種』に酵母が多いことが多く、種+少量の水で酵母菌を調整した方が楽かも。)
②①の液を、瓶などの蓋が閉まる容器に入れる。事前に他の菌が混じらないように容器を煮沸消毒しておく。このブログの設定ではならないと思うが、真空では無く、あくまで軽くだが空気が入るようにする。
③②を常温(冷凍×、冷蔵だと弱まる、可能なら27℃前後)で管理し、1日1回蓋を外しかき混ぜる。1週間前後で『発酵種』になる。オリの状態などで完成を判断。
液種でパンを焼く場合には、パンを作る際に使う水の30%~100%を液種に変えて作る。
※液種の保管・期限
基本、早めに使い切るのが前提。上手く管理しても、中に酵母菌以外の菌が発生して、酵母菌が弱くなる+仕様が怪しくなる。温度が低い場所など保管状況によりますが、1週間~1カ月程度までは一応利用できるらしい。
元種
出来る人は、そのまま発酵種(液種)でもふわふわパン出来るのですが、粉を混ぜて再度発酵させた『元種』のほうが、成功率が高い+完成度が高くなりやすいので一応紹介。
①液種づくりと同じような瓶などの容器を用意し、煮沸消毒して乾燥させておく。
②①に液種と小麦粉を1:1の割合で入れる。二つをよく混ぜる。液種と同じように完全密封の真空では無いが、蓋をして常温で8時間程度待つと、上手くいけば2~3倍に膨れあがる。
(※ここで冷蔵で1晩置かせるパターンと、そのまま次の工程に進むパターン有。専門ブログでは無いので、好みや状況でお任せ。成功率などはありますが、一応どっちでも作れると言えば作れる)
③②に、再度同じ分量の液種・小麦粉を加えて、同じ作業を繰り返す。3回~と繰り返す場合などあるが、2回やれば普通に使える。
(※繰り返す理由は、酵母菌を育てるためだと思われる。1回でも使えなくは無さそうなんですが、そうなると液種と同様の難易度になりそう。繰り返すことで成功率と、時間短縮を狙っている)
作るパンに小麦粉の30%~程度混ぜて使う。
※文章上はこうなんですが、液種・元種共に上手く起こすのが難易度は高い。発酵が弱いとパンは膨らまず、させ過ぎるとパンに酸味が増し、短くても長くても弱くても強くても駄目という非常に取り扱いが難しいです。作り方さえ分かっていれば、トライ&エラー出来るので、『とりあえず』程度で。
ピザ窯
発酵させたパンを焼くのに、一応フライパンとか鍋でも作れるらしいのですが、現代で言う『オーブン』、耐火煉瓦のピザ窯を作る方が無難。
このブログでは製鉄の為の炉のために、耐火レンガは出来ている(詳しくは記事参照)ので、それを応用して簡易耐火オーブンを作れば良いと思います。製鉄用とか炭焼き用の炉に、食用のパン突っ込んでも出来なくは無いけど、衛生上さすがに分けた方がよろしいかと思います。
耐火煉瓦さえ用意出来るなら、そこまで難しくも無く、下の動画のような物を改良すれば良いと思います。パン作りには高さが足りないとか、温度上げるのに扉とか、排煙のための煙突とか付けてる場合もありますが、その辺はどのくらい作るのか?用途による部分です。
ふわふわパンの需要について(考察込み)
「本好きの下剋上」でこの天然酵母の「ふわふわパン」が取り上げられていて、「勝手に酵母で膨らむのでは?」って読者が疑問って話を聞いたのですが、古代文明でもふわふわパンの存在自体は自分もある(勝手に空気中の酵母菌が混ざって、偶発的にも出来る可能性が高い)と思っています。しかし、あくまで現代じゃなくて古代だと、堅いパン>柔らかいパンの需要だと思います。今回の記事完全否定ですが・・・。
最大の要素は、ふわふわパンは、『消費期限・賞味期限が短い』です。コンビニとかでのパンは保存料とか入ってて少し持つんですが、パン屋さんのパンや手作りパンだと1~2日が限界(冷凍とか裏技はあるが)です。今衛生上でやってないかもしれないけど、学生時代近所の個人パン屋で、「お泊まりパン(前日の売れ残りなど)」をいくつか買って昼食にしてたのを思い出します。
それに対して、上記の「フラットブレット」もしくはフランスパンのような水分を抜いた堅いパン(フランスパンよりさらに堅く、食べるときは水やスープでふやかす)は、ふわふわパンより保存が効きます。
(※流石に現代で常温保存の消費期限が調べられないのですが、環境状況によっては数週間~数か月持つ場合もある・・・らしい。ちと、このブログでも責任取れないので、最低でも堅いパン>ふわふわパンの保存期間と思ってくれれば。ドクターストーンの『シュトレーン』のように例外(あれは『砂糖漬け』のパン)はあります)
2つ目に、ふわふわパン焼くのに『窯』が無いと難しい点。一応、鍋やフライパン、炊飯器などでパンを焼く方法はあるんですが、生焼けになりやすい(ブログ主が惨敗)ので、料理人の腕が要ります。上記の窯でさえ、温度調節が難しいです。しかも、発酵させたりするのに手間と時間がかかり、時間もかかるし、保存も出来ないし、失敗しやすいと三拍子揃ってます。
ふわふわパンの最大の長所は、堅いパンより美味しくなりやすい点だと思います。堅いパンだと、それから発展がありませんが、いろんなパンに派生出来ますし、工夫もできます。そのため、美食家や料理人などで手間暇かけた料理、その瞬間だけの美味しさを求める、一般庶民向けと言うより貴族向けのパンですね。窯自体も裕福か、耐火煉瓦余ってないと作れませんし。