日本の古代産業で有名な工芸作物と言えば、綿・漆などに加え藍染の藍になるかと思います。(※藍は、一応食べられるみたいです。とは言っても苦みも強く、食用と言うより薬用が近い印象)
特に日本では古くから行われており、ジャパンブルーで代名詞なのもあって、全然チートでは無いのですが、仙台の東北歴史博物館で藍染の映像を見て、改めて興味を持ったので記載。
アイ
上記の写真が、『タデアイ』。外国では、インディゴ(藍の成分)成分のある別の植物を使うのですが、日本ではこのタデアイか多い。
このブログ、基本野草は実際見つけて記載することが多いんですが、流石にタデアイの野草は見たこと無いですね。野草があるのか不明ですが、崩壊後の日本として、葉が丸いとか花の付き方とかに特徴があるのですが、「ヤマアイ」とか「イヌアイ」とか「タデ」とか似たような野草多し。
見分け方は、葉をちぎる・傷つけるとその部分が『青くなります』。虫食いでも反応するので、もしかしたら喰われてて青くなってるので見分けが付くかも?
育てる場合、種を3~4月に撒く。タデアイは、土の栄養を良く吸うため、元肥を多めに。追肥も必要で、そのため連作には不向き。もちろん、やりすぎも駄目になります。
種を撒いてから芽が大きくなるまでは、乾燥注意。多い時で朝・夕2回水かけるなどして調節する。育ってからは、乾燥しない程度に調整。また、雑草もかなり生えやすいため、適時雑草の駆除が必要。
7月が最も藍の成分が高く、1番刈り・2番刈り・3番刈りと、1作で2~3回刈り取れる。ただし、1度刈り取ると種が取れなくなるため、種が欲しい場合は、種用の藍を別にしておく。
タデアイは、主に『葉』に藍の成分があるため、収穫したら、葉と茎に分ける。後述の『すくも』は、だいたい葉の分量の10分の1になるため、タデアイの作付面積もある程度必要。
分け終わったら、葉を天日干しにする。気候や温度にも寄りますが、1~2日程度で乾燥葉になる。収穫してからすぐにやらないと、藍の色の出が悪くなる。乾燥させた葉、次の工程まで袋などに詰めて保管しておく。
(※葉をさらにわける、細かく刻むなどの場合もあり)
※生葉染めについて
新鮮な生の藍の葉を、水などにつけて染料を抽出し、その水で塗るのを『生葉染め』というのですが、欠点があって木綿や麻が染まりません。そのため、このブログでは日本で、麻・綿辺りが基調になりそうですので、ここでは割愛。
(一応、色が入るのは入るのですが、要約すると『藍』にはならない)
すくも作り
①乾燥葉を寝床(直射日光の当たらない納屋などのむしろの上、砂利・粘土・もみ殻などを重ねた物などで水分が逃げないようにする)に置き、水またはお湯をまんべんなくかけ、かき混ぜます。温度が保てるようにむしろなどで覆う場合など有。
②発酵を促すため、主に5日ごとに、混ぜて再度水をかける『切り返し』を行う。発酵が進んでると温度が高くなり、煙が出てくる。また、強烈なアンモニア臭もするため、重労働。これを3カ月ほど続ける。
※藍玉作り
出来たすくもを、臼で付きペースト状にして、それを丸めて形をつくり、完全に乾燥させる。この工程は飛ばすことも可能だが、江戸時代など、遠くに輸送する+長持ち(この状態を維持してれば次年度でも使えるらしい)させるなど、特に古代文明ではメリットが大きく、このブログでは推奨。
藍建て
①すくもをさらに発酵させるため、日本だと9月下旬までが望ましい。直射日光の当たらない・風通しのいい場所がベスト。
②すくもを甕などに詰め、その半分の『木灰』(厳密には強アルカリ性)と2倍位の熱湯を注ぎ、よく混ぜる。
(※石灰やブトウ糖、ふすま(小麦の皮)や酢や日本酒など使う場合もあり)
③毎日1回(もっと多くても可)かき混ぜ、1週間~10日ほどで完成。
④染める布を事前に湯で煮て、よく水洗いしておく。前述の通り、藍建ての水溶液は、強アルカリのため、手袋必須。
⑤すくもを布につけないため、ゆっくり布を浸けるか、ザルなどで隔離して染める。布を3分浸ける⇒さっと水洗いして軽く絞って布を広げて空気にふれさせるを5分間ほど。これを1セットとして、2~3回繰り返す。
⑥⑤を水を変えながら良く洗い、天日干しすると完成。
※東北歴史博物館の藍染は『正藍染』ですが、このブログ記載とはやや内容が違います。映像に感銘を受けたのですが、資料が少ない(概ね徳島の藍染が多いのと、その映像はネット公開はされてないみたいです)のと、正藍染は、難易度が高いと判断。
そもそも藍染の色は、職人技であり、素人が出来ないとも言えるのですが、他の方法の方がまだ成功例があるので、このブログの趣旨ではそちらを採用。
藍染と言っても1口に絶対コレって方法がある訳でもなく、一朝一夕で出来る話でも無く、プロでも色が出ないとかあるらしいので、いろんな方法があるうちの1つとして覚えてもらえたら幸いです。
『色』なんて意味あるの?と需要系のなろうとかなら思いそうですが、色は人を視覚的に魅力する。ガンプラとか作ってる人なら理解してくれるかもしれませんが、ちゃんとした塗装とそうでない塗装は、ホントに違いが出ると思っています。一応、現世界で塗装系に居るので、完成形をより魅力にする不思議な魅力があるのが色だと思います。
2つ目に、色素を求めることで、合成・・・薬に繋がったり(現世界でも薬作ろうとして色素、色素から薬が作られたことがある)、鉱石(顔料など)の採掘・発掘に繋がったり、他の分野の発展に関わる部分だと、自分は本気で思っています。
もちろん、戦時中に藍を禁止して他の食べ物作れは、それはそうとしか言いようがないのですが、『文明再構築・発展』を目指すのであれば、捨て置く分野では無く、余剰で研究の価値がある分野だと思います。必需品より娯楽品の方が、場合によっては商売になる可能性もありますし。