異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

綿

綿(コットン)

現代だと、石油からの『合成繊維』が主流で、昔の日本でもどちらかと言えば『蚕』からの『絹』の方が有名なんですが、日本でも『綿』は東海地方や西日本が産地となっており、日本でも特に合成繊維以前なら、主流として使える繊維です。

先に覚えておいて欲しいのは、綿は『寒冷地』での栽培は『難しい』です。不可能では無いんですが、綿の素材である『コットンボール』が付かないと、綿を育てる意義が薄れると思われます。

具体的には、北関東より上だと難しく、欧州を舞台とする場合には、かなり南の端じゃないと栽培出来ません。イギリスとかドイツなどでは難しく、そのため輸入にアメリカやインドを頼って一悶着あったわけですが。ナーロッパの世界観にする場合は、一応注意。

 

綿の育て方

最低気温12℃以上、最高気温25℃以上が望ましい。先述の通り、寒冷に弱く霜の出る時期は避けるのが無難。日本だと、だいたいの文献で『5月』種まきを推奨。

日当たり、風通し、排水が良い場所(畝を広く、高く)が望ましい。綿は、酸性土壌を嫌うので、石灰を撒いて中和しておく、また肥料(与えすぎ注意)も撒いておく。

種は、綿が残ってる場合が多いので、1晩水につけてから植えると発芽しやすい。直近の新しい種の方が、発芽率が高い。

 

水やりが難しいのですが、上げ過ぎてもダメなんですが、足らなくてもダメ。乾燥したら、水をあげる(夏場は特に渇きやすいので注意)位が妥当なのかと?5月種植えだと、6月の『梅雨』の時期を含むのですが、長雨が続くと根腐れします。また、綿に限りませんが、『台風』が来ると被害を受けます。排水を良くする・支柱を立てるなどと、ある程度神に祈る必要もあるかも。

害虫として『ネキリムシ』。被害にあった綿の地面の下に居ることが多いので、被害を見つけたら、こまめに駆除します。それ以外でも、このブログの状況だと、手で地道に駆除が無難。(石灰や草木灰をかけても、効果あり)

 

7~8月頃に開花、その50~60日後に『コットンボール』になり、それを収穫。だいたい、1本、20~30個出来るらしい。この時にも、雨や台風に注意。収穫した綿は、2~3日風通しの良い場所で乾燥させます。(雨に濡れていても、濡れていなくても)

補足 

と、簡単に書いていますが、1度日本でも綿の栽培に失敗してたり、実際綿栽培してる人でも、枯れたり、1個も実が付かなかったりしているので、他の作物もそうだけど、『農業なめんな!』って話ではあるんですが、あくまでこのブログは『農業ブログ』では無いので、ある程度簡易版のコツだけ記載。

(もっと細かく言うと、外国産と日本産で、綿の長さが違うとかで機械に使えなかったり、土地の栄養を吸いつくす・つくさないとか、奥が深いです)

このブログでは、日本では南関東以南で栽培が可能、欧州では栽培が不可能(最南端辺りなら可能)なことだけ、覚えておけば、『綿栽培の導入』で失敗する可能性が少なくなると思います。あとは、その土地や気候と相談してトライ&エラーですね。

日本で『絹』の方がより生産されたのは、寒い地方で冬の間(農業が出来ない)、屋根裏とかで暖房を利用して『養蚕』が出来たことが大きいと思います。

 

綿を糸にする準備

①『綿繰り』・・・端的に言うと、綿の中に入ってる『種』と綿を分ける作業。最悪『手』でも出来るんですが、1房に6~7個程度、一つの実に21個程度入っています。作業自体は種取り出すだけなのですが、『非常に面倒くさい上に手間』なので、初めから道具を準備した方が早いと思います。

youtu.be

『綿繰り機』と呼ばれる、要は棒と棒の間に通して分ける道具があるんですが、ここまで正確に作れなくても、上の動画のように棒二つの間を上手く通らせるようにすれば、代用は可能だと思います。

くるくる回す取っ手が欲しい場合は、取っ手の逆側に『歯車』を付けて上下の棒が連動するようにすれば、問題ないと思います。

②『綿打ち』・・・①の綿繰りをした綿を、目に見えるごみを取り除きながら、弓でうち柔らかくしていきます。①で堅くなった綿を柔らかくする+ごみを取り除く作業。塊が無くなり、ふわふわになるまで全体を綿打ちします。

(補足 この『綿繰り』⇒『綿打ち』の作業は、現代でもいろんな処で見れると思います。自分は、名古屋の『トヨタ産業記念館』でこの作業を見たことがあります。文字で説明すると、ごちゃごちゃになりやすいので、実際見た方が分かりやすいかも。そんなに難しい事してる訳ではありません)

③「じんぎ巻」・・・②の綿を20cm程度の四角形に並べて、箸(棒なら何でも良いが)を入れて、綿あめのようにクルクル巻く。あんまり固く巻くと、②の意味が薄れるので、軽く巻く。そうすると、糸を紡ぐ前のよくある形になる。

糸を紡ぐ・紡錘車に続く。

 

 

『糸』作るのにどんだけ行程かかるんだ?って話なんですが、その糸を束ねて布を作るわけで、昔の衣服が高級品なのも頷けますね。日本の商社が、『呉服店』から発展したのも、そりゃそうなるわなって感想。

綿の種が余っていれば、『綿実油』と言う油が取れます。基本的には他の種系の油と取り方は一緒(椿油・菜種油参照)なんですが、『綿の種を割って中にある白い部分を使用すること』、同じ方法で絞ると『ゴシポール(有毒)』が混じっており、赤い油になります。(男性の経口避妊薬としての効果有があるとか)

(補足・考察 

そのため、食用は論外なんですが、『灯火用』の油として使われていたみたいです。ただ、質があんまり良くないのと、上のゴシポールの気化とかどうなってるの?かは、資料が少なすぎて分かりません。

一応、石灰処理をして『食用油』にも出来ますが、自分たちが加工すると、粗悪な綿実油になり、ゴシポールが残る危険性があること、そもそもここまで作業するんなら、『菜種油』とか『魚油』とかで良くないか?って話ではあります。自分、綿実油は、これ関係調べて初めて聞きましたし。

油に石灰、『油脂+アルカリ』ではあるんですが、改めて石灰関連では、石鹸は創れません。石灰の中の『カルシウム』が、出来た石鹸分とすぐさま反応して、『石鹸カス』になります。意図的に石鹸カスを作りたいなら別ですが。この綿実油の石灰処理どういう反応するか興味はあるんですが、なんにせよ文献が無いです。)