考察:サブ(ファクチス)と、それに付随して出来そうなこと で、要はゴム代用の話をしたのですが、そもそも『天然ゴムって手に入らないの?』って考えもあると思います。
先に答えを言うと、これもカカオと同じく、日本・欧州では『輸入』以外の入手手段がありません。ですので、このブログの趣旨にはあっていないのですが、雑談程度に解説。
(※ゴムを化学的に言うと、エラストマーとか○○~って言う横文字多数+猛烈に難しくなるのですが、このブログ主の知識が無いので、触り的な解説になります。本来はもっと複雑な分野であり、こんな簡単・単純では無いです。)
ゴムの木
「輸入」って考えた時に、最初に考えるのは、日本・欧州で『ゴムの木は育てられないの?=自国で生産したい』だと思うのですが、『無理』って考えで良いと思います。(もちろん、絶対ではありませんが・・・)
天然ゴムの素材となるパラゴムノキは、アマゾン川流域の繁殖している『熱帯植物』。平均温度も必要ですが、何より『寒さに弱い』ので、10℃以下だと厳しく5℃以下だと枯れます。この時点で、日本・欧州では難しいでしょう。
一応、沖縄・小笠原諸島などがギリギリ育てられる範囲なのですが、ゴムの木はもう一つ、『風に弱い』って弱点もあり、台風直撃する沖縄では向いてないですね。
日本人だと、ゴムの木って『漆』に近い感じだと思ってくれれば。漆の記事に跳んでくれれば分かるのですが、漆のように樹木に傷をつけるとラテックスの白い樹液が流れてきて、それを期間中採集する形になります。
日本で漆、漆塗りが盛んだったと思うのですが、漆の植生ってあんまり聞かないですよね?それが工芸農作物、しかも木の難しい処で、採集までに5~7年の月日を要します。(その後、25年~30年採集出来、かつ漆と違って、天然ゴムは今現在でも採算獲れる作物ではありますが)
しかも、地域によっては上の気候問題含めて、定着率・発芽率があまり芳しく無く、個人的には上手くいかない可能性が高そうな気がします。原産地で繁殖させようとして病気で駄目になった例もあります。
(※他の記事でも記載した気はしますが、改めてタイムスリップ、もしくは人類が石化後数千年後の世界では、現代より気温が低くなっています。温暖化が進めば、本州でも熱帯植物育てられるかもしれませんが、このブログでの仮定では逆に難しくなってる可能性が高いです)
天然ゴム
ゴムの木の導入は難しいのですが、『輸入』出来る状況、よくある戦国時代とかなら、貴重な物資ではありますが生ゴムを入手できなくもない・・・ような気もします。
ゴムの木を傷つけて出る汁は『ラテックス』(タンポポの白い液と同じ)なんですが、このままだと腐るので、『お酢』(かっこよく言えば酢酸)を混ぜると、固形化し保存しやすくなります。この状態が『生ゴム』になります。
この生ゴムですが、自分たちのよく知るゴムと違い『暑いとベタベタに溶ける、寒いと固まる』性質があり、一度伸びると戻らない性質になります。
この生ゴムの用途としては『消しゴム(生ゴム+白サブ)』が挙げられます。また、上記にようにべたべたになるんですが、ゴムをベンゼン(コールタール経由?)に溶かして、防水布を作っています。
(※ゴムを溶剤に溶かして、ゴム接着剤のようにして、2枚の布を貼り付けることで、防水、レインコートのような役割をするみたいです。ゴムを溶かす溶剤は、テレピン油とかガソリンとかもあるんですが、このブログだと『テレピン油』が代用になるのでしょうか?
弱点があることと、生ゴム自体簡単には入手出来なさそうなので、あくまで「そういうことも出来る」程度で。)
天然ゴム⇒ゴム
この天然ゴムを自分たちの知ってる『ゴム』にするためには、『加硫』が必要になります。生ゴムに『硫黄』を添加して140℃程度で熱することで、生ゴム⇒ゴムに出来ます。この時、硫黄は5~8%辺りが基本、30%~40%でエボナイトになります。
ただし、硫黄だけで加硫する場合は、『5時間~数十時間』ほど加熱する必要があります。無限にある素材から、硫黄を添付するだけでなく、硫黄を添付して長時間加熱しなければならないのなら、そりゃ見つからないですよね。
この時間ですが、今ではもちろんこんな長時間の燃焼は必要なく、『加硫促進剤』を混ぜることで、数十分~1時間程度まで短縮しています。『酸化亜鉛』と『アニリン』と覚えておけばこのブログでは十分かも。
(※酸化亜鉛を混ぜても数時間かかるのは変わらず、このブログだと『加硫』=長時間の燃焼で良いと思います)
輸入なんですが、今の世界で人類が石化した場合、タイ・マレーシア・インドネシアなどがゴムの産地で残ってるので、海外との『輸出入』が出来る状態なら、タイムスリップよりかは難易度低いかも?
タイムスリップの場合は、18世紀までそれらの産地にゴムの木をまだ植えていないため、アマゾンの奥地からイギリス辺りが入手したのを貰うしかありません。この場合は、まだ『加硫』も見つかっておらず、『生ゴム』を貰う形になるのかも?『硫黄』を添加すると、歴史でもバレたらしく、その辺でのチートは難しいですね。
異世界だったら、ゴム型のモンスターとか居て欲しいですね。自分は以前パッキングを挙げましたが、ゴムの弾性・電気を通さない絶縁体など様々な特徴があり、アイデアによっていろんな物が作れると思います。
面白いのが、石油の合成繊維で、絹などの繊維系は全滅してるんですが、合成ゴムは、天然ゴムと違うらしく、天然ゴムの需要(ゴム自体が需要高いと言えるのですが)は衰えてません。