※当ブログは、異世界転生した際や、文明崩壊後の世界で役に立つ情報を現世で覚えておこうという趣旨を主としています。そのため、現世界では「取り扱い」自体が法律違反になる場合も取り上げています。あくまで、異世界や崩壊後での世界の為にお役立てください。
硫酸(前置き・プラチナ編)で、『プラチナorバナジウム』が入手できない、硫酸湖は火口などの運とリスクなどもあり他の手段を使いたいと記載して、では、その条件で『硫酸』を入手するのなら?
古代錬金術
硫酸の発見は、古代錬金術によるもので、『ミョウバン・緑ばん・胆ばんを乾留する』ことで、水と三酸化硫黄が発生し、それが反応し非常に希薄な硫酸が出来る。
硫酸を先に進める・化学反応させるには、それなりの濃度が必要なので、あくまで『硫酸が出来る』だけの方法の印象。非常に希薄な硫酸なら、温泉やシャンプーにもあり意外と身近にありふれています。
※緑ばんの作り方
①黄鉄鉱(硫化鉄鉱なら何でも良いか、おそらく一番入手しやすい)を、風通しの良い場所にさらして置き、たまに水をかける。すると6カ月~2年くらいで、硫酸鉄になる。
これを水で抽出して、その水溶液に鉄くずを入れると緑ばんが付着。
②または、硫化鉄を木材と一緒に1~2カ月ほど燃焼させる(硫黄分を燃焼させてる)。その焼石を水に入れ水溶液を作る。そうすると不純物が沈殿するので、上澄み液を回収。上澄み液を燃焼して濃縮し、冷却すると緑ばんが出てくる。
(※硫酸の原料というより、顔料としての用途が高く、『酸化鉄のベンガラ』を人工で作る際に利用。尚、緑ばんを作る水に塩酸・硫酸などが自然に出来てる(濃度はかなり低いが)ので、工業用排水には注意。)
(※『硫化鉄鉱』を細かく砕くみたいな文献もありましたが、黄鉄鉱だとモース硬度だと6~6.5と非常に堅いです。実際、黄鉄鉱、飛騨大鍾乳洞で買って実物持ってるんですが、これ砕けるのか?それ相応のハンマーとか、道具が無いと無理そう)
『硝石と硫黄を蒸気の中で燃やす』
硫黄を燃焼させて、二酸化硫黄を発生させた後、『窒素化合物(この場合は硝石)』があると、プラチナなどの触媒が無くても代わりに触媒として作用し、二酸化硫黄を酸化させて三酸化硫黄を作ることが出来ます。硫黄と硝石の割合は、8:1。
この方法は『鉛室法』と呼ばれており、後に壊れにくい鉛製で工場を建てたことが由来ですが、初期・およびこのブログの現況なら、『ガラス容器』でも一応再現は可能です。『接触法』が使われるまで、実際工業的に生産されていた有用な方法です。
蒸気を当てるのは、おそらくこれが水の代わりになり、空気中の水分と三酸化硫黄が反応して硫酸が出来る仕組みだと思います。この蒸気の量が少ないと失敗するとか。
(※工業プラント的な鉛室法は、資料があるんですが、実験室的な鉛室法は、『硝石』の実験自体が少ないので、見たことが無いのですが、おそらく行けるはず。後は、向こうで細かい部分は研鑽してください。硫酸以外が混ざるとかは合った気がしますが、圧力などは無かったはず)
このブログでも物凄く時間と労力がかかりますが、硝石は入手可能(記事の通り、異世界ダンジョンならさらに可能性高い)で古来からあり、硫黄も日本なら採集が容易なので、プラチナに期待するよりかは、可能性が高いと考えています。
そのため、最初期(プラチナなどが入手できない場合)の硫酸の入手法は、このブログではこの方法を推奨。濃度も74%(あくまで工業的な話で化学実験でどのくらいかは不明瞭ですが)までは作れるらしいので、あとは用途によって濃縮するなどして希硫酸⇒濃硫酸にして使えば良いと思います。
(※逆は、水に硫酸(硫酸に水はNG)で希硫酸に出来るんですが、濃度上げるのは、三酸化硫黄を吸わせるか、水を蒸発(硫酸の沸点は290℃で水より遥かに高いので、先に水の方が蒸気になる)させる)
このブログだと、硫酸を化学合成の素材として利用したいため、希硫酸より濃硫酸の用途が大きくなると思います。塩酸とか硝酸とか濃硫酸では無いと出来ない・・・はず?濃硫酸は吸水性が非常に高く、空気中の水分を吸って勝手に濃度が下がる場合があるので、密封してガラスで保管が望ましい。希硫酸だと鉄も溶かすので、先にガラスの作成が必須かも。)
『二酸化硫黄+塩素ガス⇒塩化スルフリル(要活性炭・樟脳が触媒)+水⇒硫酸+塩酸』
「ゼロからつくる科学文明」記載の方法。
①黄鉄鉱などの硫化鉄鉱を燃焼させて、『二酸化硫黄』を集める。
②食塩水を電気分解して、陽極の『塩素ガス』を集める。
③二酸化硫黄と塩素ガスを、活性炭または樟脳を触媒として混ぜると『塩化スルフリル(有毒)』の液体が出来る。
④それを水に混ぜる・・・というより、勝手に空気中の水と反応して硫酸・塩化水素(場合によってはそのまま塩酸)が出来る。
資料が少ないのもあるんですが、1つが『電気分解』するには、基本電池を使うルートが順当で、そもそも塩素ガスの入手に『硫酸』が居るのでは?ってのが、このブログだと難しい印象。硫酸があれば、電気分解以外にも入手方法が合ったような気がしますが、そもそもこの記事では『最初の硫酸』のため、逆になるかと。
また、この『塩化スルフリル』、もちろん化学畑では無い素人感覚なんですが、ちょっと調べたら、簡単に取り扱える薬品では無い印象。(硫酸とか三酸化硫黄もそもそもそうなんですが、それ以上に)常温で勝手に塩化水素ガスが発生する、安定しない物質で、それを回収して硫酸作れるのかなぁ?
ただ、これもプラチナなどの触媒を必要としないルートですので、知識の1つとして覚えておくと面白いかもしれません。化学式・文献上は、硫酸・塩酸が作れるのに間違いは無いと思います。
繰り返しますが、文明再構築・文明発展に『硫酸は必須』です。硫酸及び電気・蒸気機関が無い最高峰の文明が、日本の江戸時代だと自分は考えています。
そのため、知識チート・なろうでは、硫酸はほぼ必須で出るため、硫酸作れると、塩酸・硝酸が作れ、さらに濃硫酸+濃硝酸で混酸をつくり、そこに石鹸(グリセリン)を混ぜて『ニトログリセリン』から、珪藻土のダイナマイトを作るまでは一連のテンプレと化しています。
なろうとか中世ナーロッパだと、抗争してて圧倒的軍事力の切り札、絵的にも派手、どうせ硫酸作るならって話で、凄く妥当。ドクターストーンなどの有名漫画でも出てますし、書いたことないけど多分自分が知識チート書くとしても入れると思います。ノーベル賞で、財産築き上げるほどの発明なのは、事実ですし。
この硫酸もそうですが、『知識が~』よりもキャラとか設定とかの妙で上手く使った方が魅力的ですね。あと、他の知識もそうなんですが、正直ある程度省略で良いと思います。三酸化硫黄が~、水と混ぜると~とか、このブログでは自分が実際やる体ですのでなるべく記載しますが、物語・フィクションでそこまで細かく求められてないと思います。硫黄・硝石から、『硫酸出来ました』で良いかと。