異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

柿渋・固形墨

サバイバル状態初期に「衣・食・住」を揃えなければならないんですが、「衣」に関しては動物の皮を鞣して、革にするのが現実的です。(カラムシから糸は採集出来るが、自動織り機も無い時代に糸⇒服は莫大な時間を要する)その革によく塗られてるのが『柿渋』(防腐・防虫・防水効果)になります。また、これから創ることを目指している『和紙』にもよく塗られます。

柿渋

「柿渋?渋柿から知ってるけど?」と最初、自分も思いました。簡単に言うと、その青い柿の渋柿を発酵させてから搾り取った『タンニン』を多く含む液体になります。木製品、紙、衣服、魚網などに用いられ、防水・防腐・防虫効果があります。

サバイバルや文明初期では、木製品や植物性衣服などに頼らなければならないので、虫食いが防げる柿渋は、必需品と言われるほど実用性があると思います。とりあえず塗って置いて損は無いと思います。

①柿が青い状態の7月下旬~8月下旬に採集。木から裁定した物でも良いし、落ちてる物拾って使ってもいい。ただし、落ちてから時間が経つと質が落ちる。また、夏場になるため、採集後早めに作業に取り掛かる。

②採集した渋柿を皮ごと粉々にする。それを水に浸けて2~3日放置。(量が多い場合はかき混ぜても良い。また、ガスが発生するため蓋を付けてもいいが密封はしない。発酵させてるので臭いはキツイ。)

③発酵した渋柿を取り出し、袋などに入れて搾る(菜種油と同じ要領、体重かけるなり、テコの原理使うなりする)

④搾り出た液体が『柿渋』(一番搾り)になります。

⑤一度搾った渋柿でも再度水を加えて2~3日発酵させることで『二番搾り』が獲れる。

※余談ですが、②で浸けてた水や柿渋に錆びた鉄などを浸けて置くと『タンニン鉄』になります。これはここ最近農作物に良い影響があると話題です。ただし、何でもかければいいってもんでも無く、適時適量が大事。覚えておくと良いと思う。

 

柿渋は熟した期間が長ければ長い程良いとされていますが、暑いところや直射日光にさらすと、こんにゃく状になってしまったりカビが生えて来ます。冷蔵庫は無いので、暑い夏の時期は、地下倉庫でも作ってそこに保管したいですね。

ちなみに腐敗を防ぐ方法は、

①腐敗しそうな柿渋に柿渋の一番汁・三番汁または塩を含まない水を加える。

②茄子の破片を適量混ぜる。

 

『タンニン』『革』と聞いて、じゃあそもそも革の鞣しに柿渋使えるのでは?と思うかもしれませんが、柿渋で鞣しは基本出来ません。収縮型のタンニンなんですが、糖分が邪魔するとか云々かんぬん。

利用法は、木材や和紙製品、植物性衣類などの保護のために塗るのが基本になりますが、他にもちょっと面白い使い方が出来ます。

柿渋はマムシに噛まれた後、毒を吸いだした後に傷口に塗ると効果があると証明されています。正直、サバイバル状態ならマムシは嫌でも対峙しますし、血清がありませんので、この知識は特に覚えておきたいですね。

墨(固形)

『和ろうそく』『和紙』の作成ルートをこのブログでは模索中ですが、『墨(固形)』なら創ることが出来ます。

墨の原材料は+煤(+香料)になります。一応、煤の説明をしておくと、木とか油とか燃やした時に暖炉などにくっ付いてる黒い粉状の物体ですね。松を燃やして作った煤で創る墨を松煙墨、菜種油などを燃やして作った煤で創る墨を油煙墨・・・と言うみたいですが、まぁ、自分で使うようだったら、木さえ使えば煤はいくらでもありそうなんで、異世界行った時にいろいろ試してください。

 

前提として「膠」は腐りやすいため夏場は創ることが出来ません。そのため、その膠を使う「墨」も夏場以外の時期に創ることになります。

①膠を水に入れて湯煎で溶かす。(直接火にかけたりお湯を入れたりして急激に溶かさず、ゆっくり溶かす)

②そこに煤を入れてひたすら混ぜます。(膠:煤はだいたい3:5ぐらいの割合)香料を入れる場合はここで加えます。

③それを木型に入れて一日ほど重しなどでプレスします。

④それを湿った灰の中で1~2週間乾燥させます。(灰は毎日交換)

⑤さらにそれを日陰で1~3カ月ほど日陰干しして完全に乾燥させます。

※香料を入れたい場合ですが、今の固形墨では「龍脳」と呼ばれる香料が入れられていますが、一番手に入りそうな香料は「樟脳」になると思います。クスノキを砕いたチップにして、それを高温で蒸した時に出る煙を冷却すると出てくる白い粉です。異世界に匂い付きそうな香料あったらそれでも良いと思います。

 

液体墨では無いので使う場合は硯(なんかで代用)に20度以上の水で墨を磨らないと使えませんね。筆は最初のうちは歯ブラシで代用してください。

 

 

・・・肝心の「紙」が無いんですが、「水酸化ナトリウム」使う洋紙はともかく、「木灰」で創れる「和紙」なら素材は何とかなりそうなんですよね。創るための道具をどうするか悩んでるだけで・・・。ただ、理論上不可能かと言われれば、滅茶苦茶頑張ればなんとかなる範囲ではあるので、そのうち和紙作成も辿り着くと思います。柿渋と墨も和紙に関係ある用品ですので、先に覚えておく・創って置くのは悪いことじゃないと思います。