異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

ヒガンバナ・カラスウリ(救荒植物)

※当ブログは、異世界転生した際や、文明崩壊後の世界で役に立つ情報を現世で覚えておこうという趣旨を主としています。そのため、食料が無い状態での生存率を少しでも上げるために、やや食用不向きな食べ物も紹介しますが、『現世界』で試す場合には、自己責任でお願いいたします。

ヒガンバナ彼岸花

このブログ始めてから、図書館に入り浸ることになっているんですが、野草の欄に一冊は「救荒植物」の本があると思います。救荒植物ってなんじゃら?って話なんですが、飢饉とかで何も食べるモノが無い時に最終的に食べるモノのことです。

 

その救荒植物で一番有名なのがヒガンバナになります。当然のことながら根っこが有毒(ワンチャン致死量)で有名な植物でもあります。

本州以南(北海道・東北以外)の水田の畦道・堤防・荒れ地などの人里に生育。湿った場所を好む。・・・自分達が一番見かけるのは墓地かもしれません。

彼岸頃(9月頃)に紅色の花を咲かします。特筆すべきは、花が咲いていればまず間違えずに彼岸花って分かることですね。花が咲いてない時期にノビルやニラなどと間違える事故が起こっていますが、まずスイレンと同じで形が全然違うこと、ノビルの欄でも記載してますが、ノビルやニラにはネギ臭がするけど、スイレン彼岸花にはネギ臭はしません。

 

食べ方なんですけど、根っこをかじったりするのは絶対にダメです。直接食べるのではなく、鱗茎(根っこ)にあるでんぷんを抽出して食べます。葛(くず)でもデンプンの抽出しましたが、やり方覚えてますか?

彼岸花の根っこの部分を切り取る。この時、黒い皮は剥いでおく。(なので、直接触らないことに越したことは無く、あるなら手袋推奨)

②①を5~7回水で洗ってからすりつぶして、水に浸ける。(彼岸花の毒の成分はリコリンっていう水溶性、水に溶ける毒なのでこの時に水に溶ける)

③数時間~数日経つと、デンプンが底に沈殿していくので、上澄み液を捨てる⇒再度水を加えて、時間を置き、デンプンを沈殿⇒上澄み液を捨てる・・・を繰り返す。この時に水に浸けている①は食用不能なので廃棄する。以前の葛やカタクリと違ってこちらは有毒成分があるため、中途半端にするとそれが残ってしまうため、回数を繰り返す。

④毒が抜けたなと思ったら天日干しで水分を飛ばすと、デンプン粉が出来る。あとはこれで餅なりなんなりを作る。

 

今より食料が豊富で無い江戸時代とかでも、最後の最後でしか食べない植物ですので、率先して食べるというより知識があれば生存率が1%ぐらい上がるかな?ぐらいですね。

文献では和紙のネリの材料にも挙げられていますが、毒が水に溶けるんですけど、口にしなきゃ良いって判断なのか?率先しては使いたくない素材ですね。

 

アニメで軽く炎上したってのが取り上げたきっかけですが、学名が「リコリスラジアータ」なんで名前の由来なのかもしれませんね。彼岸花自体かなりかっこいい花ですので、咥えてるの絵になってるんですが、安易に真似しない方が良いのは事実ですね。別に彼岸花に限らず植物口に咥えなくても良いとは思いますが・・・。

カラスウリ

秋になると食べられる実がなるんですが、野生の動物、具体的には鳥が食べてしまいます。そんな中、実がなっていても鳥が見向きもせずに残っているのがこの「カラスウリ」になります。カラスぐらいしか食べないってのが、名前の由来かもと言われています。

本州・四国・九州に生息するつる性の多年生草。平地のやぶや山地の林などに絡みついて生息。葉はハート形で、細毛がある。実は緑色⇒10~11月頃にオレンジ(朱色)に熟する。夜に咲く白い花が有名なので、探すときはソレを目安にすると探しやすい。

 

これも上の彼岸花と同じく、実がなっていたらカラスウリって分かると思いますが、オレンジ(または朱色)に熟した果実は、毒はありませんが、食用不向きです。

・・・いや、毒が無いなら頑張れば食べられるのでは?そう思ってた時期が自分にもありました。どんぐりマテバシイ・スタジイ・ツブラジイ以外)をアク抜き不十分で食べれば無理ってことが理解できると思います。※ブログ主は責任取りません。

『文献』上は、身が熟す前、緑色の状態なら煮たり焼いたり塩漬けにして食すことが可能と書いてあります。ほんとかよ・・・フキノトウでギブってる自分には難しそうですが、残ってる可能性は高いので『救荒植物』として覚えておきます。平時や現世で食べる食べ物では無いと思います。

 

実はそうなんですけど、種子は炒めて食用可能です。集めて油を搾ることも可能ですので、熟したカラスウリがあったら種だけ回収してもいいかもしれませんね。また、カラスウリに出来る虫こぶからは『タンニン』(皮の鞣しやお歯黒に使う)を抽出することが出来ます。

また、カラスウリの根も彼岸花と同じように『デンプン』を抽出できます。カラスウリ本体を食べられなくても、他の部分の利用は覚えておきたいですね。

※余談ですが、キカラスウリは熟しても甘くて美味しく(個体差あり)種子や根はカラスウリと同じように利用出来ます。同じ場所に生えやすい緑色のスズメウリは量は少ないが美味で、オキナワスズメウリ有毒です。

 

 

アニメの話題以外に、最近『食料危機』みたいな単語が飛び交ってるのも気になり救荒植物を取り上げてますが、江戸時代の飢饉でもあくまで生存率が上がる程度で、現世界の現代だと、救荒植物に頼るより他の手段が必要でしょうね。

都内で食べられる野草・・・シロツメクサとか無くはないでしょうけど、都内の人口全部をカバーするには至らないでしょう。魚釣りとか野草とかより、乾パンとか缶詰とかいかに食料を保存出来ているかの方が万が一の時の生存率はあがると思います。

無人島に4~5人なら、サバイバル知識の有る無しがデカいですが、100人~200人なら食い尽くしてお手上げですからね。あくまで、異世界で一人でサバイバルとか、文明初期の一人でサバイバルとか、少人数で自然豊富な場所での生き残りを上げる知識ですね、コレは。