異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

蝋燭(和ろうそく)・火おき

文明を発達させるために絶対に必要なのは『石』・・・『鉱石』です。今現在のレアメタルボーキサイトも含め、文明とは石を利用することで成り立っているとも言えます。そのため、異世界転生にしろ、文明崩壊後の世界にしろ、いずれ『鉱業』が必須になります。

(再文明構築の難易度が上がるのは、現世界で採りやすい鉱石や石油、石炭がすでに使われているため。新しく鉱石や石炭が発生するまで石化してたら別だが)

蝋燭(和ろうそく)

鉱業で露天掘りでは無く、鉱床を掘り進めるなら「採光」が必須になります。「松明」も考えられますが、ある程度長時間火が持ち、かつ古代文明でも創作が容易な灯りといえば『蝋燭』一択でしょう。今、現在、一番使われている蝋燭は西洋蝋燭ですが、西洋蝋燭の素材の「パラフィン」は石油由来の素材ですので、古代文明では難しいと思われます。

 

蝋燭の素材は、漆・ハゼノキ のウルシ蝋・ハゼ蝋、ミツバチの巣から採れる蜜蝋などいくつか考えられますが、当ブログでは「獣脂」を推します。

①どの文明においても、動物の狩猟は行われるため、ほぼ100%入手出来る素材。

②無駄な部分または獣脂を採った部分も食べられるので、資源を最大限活用および食事のついでに入手出来て、手間がかからない。

③鉱業用または毎日の夜の採光を採るのに使うのが第一目的のため、質より量。他の素材は、採集する時期があったり、数の入手に不安があるが、獣脂はその心配がなく、安価で大量生産も難しくない。

獣脂をどうやって採るんですか?と聞かれると困るんですが、脂身の多い肉を焼けば、まぁ出ます。それを冷やすなり放置して温度が下がると固形の脂になります。より良質の脂を採りたい場合は『塩析』(飽和食塩水(※これ以上食塩を溶けなくなるまで溶かした水)を混ぜると、石鹸のように上澄みに良質の脂が浮いてくるのでそれを回収)します。

 

伝統工芸の和ろうそくは特殊な灯心や手掛けを行いますが、質に一ミリも拘らないある意味自家消費用の蝋燭なら以下の方法で作れます。

①灯心になるもの・・・現代ではイ草の髄(茎の皮を剥いた中の白い部分)が使われますが、イ草より「アジサイ」の髄の方が一般的に分かりやすいと思います。一応、キブシ(ヌルデ(五倍子)の代わりになるタンニンを採集出来る実をならせる木)などでも可。

②熱した蝋を蝋燭の形の容器(例:竹(竹筒に油を入れて使用することもあった))に入れて、その真ん中に①を小石でも縛ってピンと伸ばした状態で浸ける。蠟が固まれば「蝋燭」の完成。

③②が出来ない場合は、蝋をある程度の温度まで温めて液体にした後、①に蝋を浸ける⇒外気温で固形にする⇒再度、蝋に浸ける⇒・・・・を繰り返し、灯心の蝋をどんどん大きくしていく。

今現在作られてる伝統工芸の和ろうそくとは全くの別物になりますが、これでも蝋燭としての性能なら特に問題ありません。自分たちが、文明発展のために創る蝋燭ならこの蝋燭で十分かと思います。

 

・・・十分なんですが、一応伝統工芸の「和ろうそく」の創り方もついでに載せておきます。もしも、異世界や崩壊後の世界で、宗教やお祭りのために、高級なろうそくを求められた場合に参考にしてください。ただし、職人の腕が必要です。

①竹串に「和紙」を巻き、その上から上記①の灯心になるもの(現在ではイ草の髄が主流)をグルグルと巻きつける。最後巻き込んで止める、または、綿で止めます。(※ここで一度中の竹串を抜いても良い。和ろうそくの中心は空洞になる)

②①の灯心の先端に50度~80度くらいの液体の蝋を浸けて固める。(①で竹串を抜いてた場合、先端の蝋が固形化した後、再度真ん中に差し直す。)

③灯心のほつれを防ぐために、一度灯心全体を蝋に浸けて固める。

④右手で串を動かしながら、左手の上で蝋を均等に塗り固める⇒塗る⇒固める・・・を繰り返す。蝋の温度が下がってきた場合、再度加熱して続ける。

(※一本だとさすがに効率が悪いため、数本まとめて行う。塗り方に関しては、左手の親指中心に塗るとか、左手全体で塗るとか、やり方がそれぞれあり。正直、一朝一夕で出来る技術だとは思いませんが、頼む職人や最悪自分の合う方法でやればいいと思う)

⑤望みの太さになったら、温めた刃物などで先端を芯を切らないように周りの蝋だけ切って灯心を露出させる。

※『芯切り』・・・サイズの大きい和ろうそくの場合は、使っていると芯が炭化してしまい火が大きくなりすぎる。そこで、途中で3~4センチ残して、出ている芯を鉄挟みなどで切る必要があり。

 

火おき

『ソウナンですか?』で使われていた、要は火の付いた炭を持ち運ぶ容器。正式名称が分からないので漫画引用。

創り方は、土器などの容器に葉⇒灰⇒火の付いた炭⇒灰⇒葉と順に入れ、容器を持ち運びやすいように紐などで手に下げられるようにする。身近なところだと、焼香台の灰の中に火のついた炭を入れ、線香に火をつけさせるのと同じ理論かと思います。

 

火の付いた蝋燭を直接手に持てないので、石でもなんでも何かしらランプのような物を創って鉱山に入ると思いますが、電気の無い鉱山で蝋燭が消えたら、視界0で再点火の難易度はあがります。今の都会の灯りがある夜と、鉱山の本当に真っ暗は全然違うと思います。

火のついた炭に採光採れるほどの光はありませんが、それでも0よりかはかなりマシなはずです。また、火のついた炭にろうそくの灯心を当てれば再度火を灯すことも出来ます。数時間は持つので、鉱業の際は、蝋燭のランプ数個と、この「火おき」を一つ持っていきたいです。蝋燭、火おき、鹿の角ピッケルの代わり)、や革の袋があれば『最低限』鉱山に入る準備は整います。

 

 

 

このブログは「ドクターストーン」に感銘を受けて、「本好きの下剋上」「ソウナンですか?」などの文明が無い状態での知識を参考にしています。いや、文献の中から○○が無い状態で○○創るって探すの大変なんですよ。図書館の本も、大部分は「歴史」とか「使われ方」とか「どう影響を与えた」とかで、実用や技術はごく一部です。漫画やノベルで分かりやすく興味があるように、かつ、その時代や文明でも作れるように熟考したこれらの作品は、最高の参考書とも言えます。下手な文献より目的が合致してる分、数倍役に立ちます。