異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

蜜蝋・蜂蜜・ミード

※このブログは文明崩壊後の世界や異世界転生時に使えそうな知識を今のうちに身につけて置こうという趣旨で記載しています。今回は、『養蜂』では無く野生のミツバチから蜜蝋・蜂蜜を採集します。明らかに現代装備として間違った方法や現法に触れている部分もあるので、現世界では行わず、あくまで異世界や文明崩壊後に役立ててください。

 

蝋燭を創るための材料として、獣脂・ハゼ蝋・ウルシ蝋、『蜜蝋』。そして、世界最古の甘味料『蜂蜜』。これらはエジプト文明でも使われており、ミツバチさえ生息していれば、どの文明状況でも採集することは理論上可能です。

まず、大前提として蜜蝋・蜂蜜が獲れるのは『ミツバチ』だけです。スズメバチの巣は木の樹皮で出来ており、また形も全然違います。丸っこい巣はスズメバチの巣で、ミツバチの巣は雪のつららのようなパンケーキみたいな形をしています。

スズメバチと違い、ミツバチは人を刺すと死ぬためよっぽどのことがないと本来人を刺すことが無い温厚な生き物です。

① 熊などの外敵に相対した時(黒いTシャツが刺されるのは熊と間違われるため)

② 潰されるなど自身の生命の危機に瀕した時

③ 巣を壊されそうな時

今回の件は③に該当するため、刺してくる可能性が高いと思います。また、日本にはいませんが、この世界にも変異して攻撃的なミツバチも居ます。異世界でもミツバチが狂暴化している可能性もありますし、いくら温厚とはいえ機嫌が悪い時もあるので、準備するに越したことは無いと思います。

 

ミツバチが巣の中に居る状態で話を進めてますが、『蜜蝋』だけなら容易に獲れる状況もあります。ミツバチの巣からミツバチが居なくなった状態もあるにはあります。

①ミツバチはストレスが溜まったり、巣をスムシなどの害虫に破壊されると、その巣を捨てて逃亡します。(『逃去』とか呼ばれます)

②①と状況は似てますが、熊などに蜂蜜を狙われ巣を破壊された・・・その残骸を回収。(その場合は、そのエリアに熊などの野生動物がいるので別な危険がありますが)

 

ミツバチが居る状態での話をします。現代で蜂の巣の駆除を行う際は、必ず防護服(宇宙服みたいな服)で全身を防御します。・・・が、全身防護服は古代文明では用意できないでしょう。とは言え、全裸とかTシャツとかで迫るのは無謀なため鞣した『革』でフード(目だけ見えるようにしたお化け衣装のような一枚布)を創り、可能な限り肌面積を少なくしておきたいです。また、この装備だと刺される可能性が高いので、虫刺され薬としてドクダミアナフィラキシーの人は、他の人に頼むか諦めましょう。

 

蜂は昼になると働きバチが巣の外に出ます。逆に夜はほとんどの蜂が巣に戻っています。蜂の巣の駆除などで一網打尽にする場合は夜の方が効果的ですが、巣を採集するなら昼の方が手薄かもしれません。

巣を煙で燻します。『ソウナンですか?』ではヨモギとイヌザンショウで燻してましたが、ミントやドクダミ(虫除け)なども効果がアリ、蜂が煙に弱いのは事実です。巣に群がっていた蜂が「一時的」に弱まるのを待ち、その隙に巣を回収します。鉄か鋼のナイフがあればいうことは無いですが、黒曜石や石のナイフだったら持てる程度に火で熱した方が切り取りやすいかもしれません。刺された箇所は後で、針を抜いてドクダミの葉を当てます。

 

巣の中に居る幼虫『蜂の子』は食用可能です。(これはミツバチだけでなく、スズメバチも同様)ただ、全ての昆虫食は基本「生で食べない」鉄則があります。食べる場合には油で揚げてからの方が無難。また、巣の持ち運び中にも孵化する可能性があるので注意。・・・正直、蜂の子は夢に出そうですし、このブログは昆虫食を食べないために、野草や動物の解体を覚えているので、最悪食べられることだけ覚えてれば良いと思います。

上の図は以前も出した竹で作った雨樋いで雨水(食用水)を溜める方法です。ソウナンですか?でやっていた方法ですが、自分のブログでも序盤は『竹』の家を推奨しているため、蜂蜜搾りでもこの方法を推奨します。カットした蜂の巣を傾斜のあるこの屋根に乗せて垂れてきたものを回収します。他にもスプーンで集めたり、面倒だったら巣ごとかじって食べたり、巣を底の一部に穴を開けた樽の中に入れて同じように垂れてきたものを回収するなどの方法があります。

 

蜂蜜の特徴の一つは消費期限が長いです。もともと冷凍・冷蔵しない常温で保存する食べ物で、酸化や発酵しないように蓋でもしておけば2~3年は持ちます。(消費期限ですので、味は落ちますが)エジプト文明ではあらゆるレシピに利用されており、また傷薬としての塗り薬や目が傷ついた時の目薬、咳止めなど薬効も高いです。

 

蜂蜜の派生として一番有名なのは『ミード』と呼ばれる蜂蜜酒だと思います。水と蜂蜜を混ぜて数日~数週間放置すると出来る世界で一番簡単に作れるお酒です。酢(果実酢)を創る時に『糖分→アルコール+二酸化炭素』になると言ったのを覚えているでしょうか?蜂蜜の糖度は80度、その50%がアルコールになりますので意図的に作らないとアルコール度数1%未満(1%以上の酒の製造は現日本で違法)にはならないと思います。蜂蜜を発酵させたくない場合は、加熱処理などすれば発酵しにくくなります。

 

当ブログの目的であった蜜蝋を採集します。

①蜂蜜を採集しおわった蜂の巣をお湯に入れて熱して溶かす。

②溶かした液体を布なので濾過して不純物を取り除く。

③そのまま、放置すれば上面に冷えて固形になった蜜蝋が出てくるのでそれを回収する。

(③に蝋燭の灯心であるアジサイやイグサのズイを上手く垂らして置けばその時点で『蝋燭』になりそうな気もしますが、また後で蝋燭の正式な作り方は紹介するつもりです)

リップクリームやワックス、ハンドクリームなどに使用されますが、当ブログの現況だと蝋燭の光源が一番の使い道になりそうです。

 

 

 

古代エジプトでは『養蜂』も行われていたようです。セイヨウミツバチの方が、二ホンミツバチより養蜂が簡単とは言え、流石四大文明って感じです。エジプト文明の生活の文献もたまに読みますが、日本の同時期と比べたら、日本は四大文明に入らないのも納得なんですよね。蜂蜜採集の様子を描いた洞窟の壁画みたら「刺されんだろ!」が第一声でしたが・・・。古代の防護服は実際どんな感じで採集していたんでしょうね?