異世界転生する前に

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異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

ガラス

一口に『ガラス』と言っても、いろんなガラスがあり、珪砂さえ溶かせばガラスと言えるのですが、このブログの現状では『クリスタルガラス(鉛ガラス)』の作成を目指します。

古代ガラスの生成見ると、温度が足りないので1度原料を燃焼して(カレット?)を作り、そこにガラス屑(フリント?)を混ぜて再度燃焼して、ガラスを成形していたと文献にありますが、この方法で作っても問題は無いのですが、これ『鉛』が入っていないので、鉛さえ混ぜれば1000~1200度でも一度でガラスが成形できる温度まで融点が下がると考えています。

(※備考 炭酸カリウム・炭酸ナトリウムうんちゃらと言うより「アルカリ」を混ぜると融点が下がるって認識の方が分かりやすいかも。加えて、鉛を混ぜると、不純物だとどうのこうので融点が下がるので、二重で融点が下がる認識)

 

ガラスの素材は、端的には『珪砂』と呼ばれる素材になります。正しくは良質の珪砂。海外だと白い砂浜=珪砂。日本だと、主に「釉薬」に使われることが多く、焼き物が盛んな地方(瀬戸や土岐など)なら、良質の粘土と共に入手可能です。福島や伊豆にもありますし、珪砂自体は入手難易度は低いと思われます。

(※土岐地方で話聞いた時に、山崩れで崩れて来た土砂の中に珪砂が多く含まれていてたこともあるそう)

その珪砂を溶かせれば『ガラス』になるのですが、珪砂単体で溶かすには1700とか2000とかの高温が必要で、かつ、この「ガラス」も「ガラス」には違いないのですが自分たちが想像するガラスと違い、特殊な用途に使うガラスであり、造形しにくく自分たちが求めてるガラスでは無いと思います。

ガラスを、低温で溶かせるようにし、かつ造詣しやすい上で固まると強度があるようにしたのが「カリガラス」「ソーダ石灰ガラス」「鉛ガラス」などなど、要は珪砂単体では無く、アルカリ性の不純物を混ぜることで融点を下げるのですが、このブログでは先述の通り『鉛ガラス』を推奨。

他のガラスより「鉛ガラス」の方が融点が低い。これはこのブログでは古代文明初期で~1200℃前後が精一杯の状態でも『まだ』手が届く範囲だと思っています。

※備考

鉛ガラス・クリスタルガラスと聞くと、透明な現代のガラスを想像しそうですが、この段階では『透明性』に拘らないこととします。

方鉛鉱 でも述べましたが、酸化鉛を一酸化炭素で還元するだけでは『不純物』が混ざっており、完全に除去するためには、生成した鉛を『電気分解』する必要があります。

絶対透明にならないとは言い切れないのですが、自分たちが用意する珪砂の質から考えても、良くておそらく上のような色つきの半透明(シーグラスのような状態)になると思われます。

『眼鏡・顕微鏡』などを作るのには非常に困りますが、今回は『ガラス容器(特に科学関連のビーカー・食料保存用の容器)』が主なので、半透明でも可と言う前提で話を薦めます。

 

鉛ガラスの素材

珪砂・・・素材自体なら石英として何処にでもあるが、細かく砕く+なるべく透明な物(今回は透明で無くても良いが、半透明にはしたい)が必要なため、『良質な』珪砂が求められる。焼き物の産地などで、粘土と同様釉薬に使っていた珪砂が採取しやすい。

 

貝殻、もしくは石灰岩・・・『炭酸カルシウム』、10%。これを入れなくてもガラス自体は出来ますが、非常に質が悪くなるため(具体的には、入れないと水にガラスが溶ける)、今回の自分達のガラスには必須。

 

ソーダ灰・・・西洋なら塩湖、海藻。日本なら海藻、甜菜の絞り粕。焼いた海藻を20%。

(※備考 焼いた海藻20%って炭酸ナトリウムの記事(海藻の1%)と矛盾しませんか?って話なんですが、厳密には炭酸ナトリウム(+炭酸カリウム+α)で、この海藻には炭酸カリウムも混じっています。

最悪、先述しましたが『カリガラス』って言う、ソーダ灰⇒炭酸カリウム(要は木灰)に置き換えて作る方法もあります。)

 

3つを混ぜて燃焼する。1000~1200℃で溶けると思いますが、どちらにしろ炉でふいごなどによる送風をしないとこのブログでは届かない温度だと思います。

(※備考 今更言うまでも無いのですが、「製鉄」もそうですが、一瞬1200℃では無くて、継続して1200℃の温度が必要です。製鉄は一晩中レベルですが、ガラスも3時間~は必要ですので、送風し続ける必要はあります。出来て無かったら、上記のガラス屑を混ぜて二度燃焼する方法でも良いと思います。)

 

ガラスの容器の成形方法ですが、このブログならやや高温が必要になるのですが、型をとって流し込む『鋳造』が妥当かと。

他にも中だけ土器や陶器で作り、その外にガラスを巻き付ける『コア技法』、型どった中にガラスを入れて空気を送り込んで成形する『型吹きガラス』、流し込んだガラスを真ん中だけ押し込んで成形する『型押しガラス』など、方法はたくさんあるので手が届きそうなのをチョイスすれば良いと思います。

(※備考 吹き竿の作成に悩んでましたが、銑鉄で良いのであれば、細い竹+太い竹で鉄の『吹き竿』が作成可能。そのままだと熱で火傷するので、手の方に木製の取っ手をつける必要があります。

『吹きガラス』が、現代でも使われている『大量』に簡単に作れる方法なんですが、一応『俺』が作るなら、吹きガラス法出来んので、「鋳造」「型吹きガラス」の方が成功率高いと思うので、トライするならそっちかな?と。このブログでは大量生産じゃなくて、使う分だけあれば十分、かつ別にある程度出来れば良いって判断。

もちろん、出来そうなら『吹きガラス法』が一番です。職人が居れば分投げて良いと思います。ただ、単純に膨らませるだけじゃなくて、いろいろ注意点があって複雑なんですよね。そのため、ここでは割愛。特に吹きガラス法の場合、以下の「なまし」は特に注意。)

ガラスのなまし

ガラス作成を主としている人には「当たり前」の話なんですが、自分たちが見落としやすい要素として、ガラスは『なまし』、簡単に言うと成形した後、外で急激に冷やすのではなく、温度を徐々に低くして冷まします。

体験でガラスを作成した後、木灰に突っ込んでること多いと思うのですが、アレが『なまし』です。なましの時間は作る物によって違いますが、容器を作るなら1日なら確実。

この「なまし」をしないとどうなるか?外と中の固まり方に違いが出て、要約すると『物凄い脆い』ガラスになり、最悪手に触れただけで割れる、勝手に割れる可能性もあります。自分たちが望むガラスはそういうガラスでは無いのと、ガラスの真価を発揮出来ないので、これは覚えておきましょう。

余談ですが、この「なまし」、古代中国や日本で見逃されたらしく、それがガラス文明があんまり発展しなかった理由の一つになっています。だんだん冷ませば良いだけなので難しい作業では無いのですが、意外と盲点なのは事実かも。

ガラスの利用

①化学薬品の管理・・・一応、陶磁器(最悪土器)でも保存可能なんですが、『硫酸』『水酸化ナトリウム』と進むのであれば、ガラス容器は無難。また、持ち運びも容易になる。

②『蒸留』関連・・・土器と違い、ガラスは薬品をそのまま熱することが可能。また、水銀があれば『温度計』(半透明でも見えにくいでも可としています)も作成可能で、職人が居れば「リービッヒ冷却器」もしくはそれに準じた冷却装置・回収装置も作成可能

③瓶詰めによる食料保存・・・壺の中に入れて管理も間違ってはいないのだが、やはり瓶詰めして密封するのが一番。

※板硝子はまた別の話。ガラス容器のかなり後に板ガラスが出たはずで、とりあえずここでは容器のみ。

 

このブログ、急いでないので、基本回り道ばかりしてるのですが、ガラスの作成は文明再構築に『必須』だと思っています。厳密には『硫酸』が必須なんですが、ガラス⇒硫酸って話ですね。最短距離を進むなら、『鉄』『ガラス』『硫酸』『電気』で、電力を復活させれば、明治時代くらいの生活までには水準が戻ると思います。

割と駆け足ですが、こんだけ情報があれば、ガラスの作成に取り掛かれるはず。後の細かい部分は、向こうでトライ&エラーしてください。全体的にドクターストーンを補足してるだけの内容になってますが、調べた結果、やっぱ改めてドクターストーンよく出来てるなと感心しました。