異世界転生する前に

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異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

砂型鋳造

※『砂型鋳造』は場所によっては職業訓練・ワークショップ体験出来る場所もありますが、基本的に(特に品質を求める場合)『職人技』だと思っています。が、それを言ってると何にも始まらないので、トライ&エラー、品質にさほど拘らない前提で砂型鋳造を記載します。

 

砂型鋳造(蝋型鋳造)

一番最初の鋳造は、石の窪みに溶かした金属を流す、『石型』なんですが、加工のしやすさ・材料を考えると、自分たちは初期には『砂型鋳造』を採用するべきだと思います。

片面だけ鋳造するなら、チョコレート・クッキーのように型に流せば済むので、それは割愛。

 

砂型の周りの砂なんですが、『珪砂』と『粘土』を2:1で混ぜて800度程度で燃焼し、粉々にした物(専門用語だと「真土」)に、再度粘土などを混ぜた物を使います。

※補足

『その辺の土や砂じゃ出来ないの?』川砂とか山砂とか、粘土も珪砂もその辺の土・砂と言えば、そうなんで、出来ないとは言わないです。また、公園の砂場の砂が適してる場合もあります。

また、『真土』じゃなくて、そのまま珪砂+粘土でやってるの見たことあるんだけど?と思うかもしれませんが、そのままやるの『生型』って言うんですが、難易度は真土型>生型。デンプンを足したり、炭粉を混ぜたり、水の量を多すぎないように調整したり、水蒸気爆発の可能性が高まるため、素人の自分たちがやるなら、初めから『真土型』の方が成功率が高そうと判断しています。

 

原型

①作りたい物を『蜜蝋・木蝋・松脂』を混ぜた物(もしくはそれ単体)で形を成形します。中が中空になる物は、上記の真土で中(中子)を作り、その周りに蝋を被せるように塗る。『原型』を砂で埋める・砂で周りを固める。この時に、溶かした金属を入れる穴(湯口)を作って置く。

②①を300度ぐらいで土ごと熱すると、中の蠟が溶けて外に排出される(残ってる部分は、剥離剤として作用する)。後は、その空いてる部分に湯口から、溶けた金属を注入。固まったら、周りの土を破壊して取り出す。土は再利用可能。

 

ザックリ言うと上の工程で完成なんですが、文章で伝えにくいんですが、よく動画にある下型・上型・中子(木型)などとはやり方がちょっと違います。砂型ではあるんですが、『蝋型』(こういうのか分かりませんが)と呼ばれてる手法になります。おそらくですが、あくまで自分たちが古代文明でやるなら、上記が一番現実的かと思っています。

 

砂型鋳造(よくあるバージョン)

※若干自信ないですが、一応解説しておきます。

①上記と同じく、『真土』、もしくは珪砂・粘土(デンプンや炭などを混ぜても可)を用意する。粘土を水に溶かしたモノを、『埴汁』と言い、砂型を固めるのに利用すると良い。基本として、土が細かいモノを原型の近くに、粗い土を周りの土に使います。水を与えすぎると水蒸気爆発を起こすので、だいたい3%を目安に。

(周りに粗い土を使うのも、水蒸気を外に逃がすため)

②原型を『木』で成形します。この時、中が中空になる場合は、上記と同様に土で「中子」を成形。この場合、原形を取り出す必要があるので、『上型』『下型』と2つに分けるか・半分ずつ埋めるかのどちらかを選択。型に埋める前に抜けやすいように「剥離剤(このブログの状況なら「油(種類問わず)」)を塗布。

③四角形の木枠に水を塗布した後、下型・上型に②を埋めて型を取り、反転させて抜く。この時に、上型に湯口、おし湯、空気穴を作って置く。原型の近くは細かい土、周りは荒い土なのは同様。中子もセットしておく。

反転させたり、抜いたりする作業があるので、土をある程度押し固める、最低限の硬度が無いと難しい。この時点で崩れた場合、やり直す他無い。

原型を抜いたら、上型と下型を重ねる。

※察せると思いますが、この時に上型・下型に隙間がある場合、湯がそこから漏れてしまいます。そのため隙間を〇〇ミリ以下にする必要があるのですが、現代だと『接着剤』を利用しますが、古代だと粘土や先ほどの埴汁などで埋めるか、湯が漏れないように下型・上型に勾配を付けるか、工夫が必要かと思われます。

④湯口から、溶けた金属を流し込み。冷却した後、砂型を壊して取り出す。

 

 

文章で説明するのが非常に難しいのですが、砂型鋳造、簡単に出来るとは思っておらず、穴だらけになったり、良くても表面ボコボコとかそんなレベルだと思います。

本来は、もっともっと注意事項がある項目なのですが、最終的には異世界古代文明で手に入る砂の質も不明なので、向こうでトライ&エラーしてください。極めれば、車のエンジン(もちろん、それ相応の腕と設計力が必要)も可能で、小さなパーツ含めて、発想力が問われる分、いろいろ出来る面白い技術だと思います。

 

技術系全般そうなんですが、「料理のレシピを知ってる」=「上手く出来る」訳じゃないですが、レシピ知らないとどうにもなりませんよね?仲間に砂型鋳造専門の方が居たら、ぶん投げて良いと思いますし、自分が出来なくても、こういうの得意・やらせれば出来るようになる人は居ると思います。

品質最低限使えるレベルなのも含めて、あくまで『指針』と言うか、こういう方法が出来ることを知っておくと、選択肢が広がる気がします。最初にも書きましたが、古代の砂型鋳造、簡単に出来そうですが、あくまで『職人技』で難しい技術の一つだと自分は考えています。