異世界転生する前に

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異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

銑鉄・最初の鋳鉄(銑鉄)

※今回は、新規の内容と言うよりこのブログ主の反省会になります。鉄に関しては、「最初の製鉄 」を参照。

鋳鉄について(反省文)

鉄を完全に溶かすのには「1500℃前後」の高温が必要で、鉄を完全に溶かして鋳鉄をするのは、難しい。そのため、最初の鋼に関しては、砂鉄・鉄鉱石を溶かし、銑鉄(炭素分の多い「硬くて脆い」鉄)を叩く(鍛造)することで、中の炭素分を減らして、鋼を作成する。

最初の製鉄でも記載したこの内容、決して間違ってる訳では無いのですが、『鉄=鋼』って前提。(あんまり聞かない言葉ですが、やろうとしてたのは「鋳鉄」と言うより「鋳鋼」の方が正しい)

 

 

この鍛鉄する前に出来てる『銑鉄』と呼ばれる鉄が、古代とか江戸時代で使われていた初期の鋳鉄の素材だそうです。

たたら製鉄の文献見返したら、思いっきり銑鉄=鋳物の素材って書いてありました)

※凄い厳密に書くと、炭素量がバラバラの鉄を、鍛鉄用にしろ鋳鉄用にしろ、鍛鉄の場合は叩いて、酸素を吹き込む、再度溶かして炭素量を逆に増やすなど、炭素量を増やしたり減らしたりすることで、それ用に調節しています。

端的に書くと、このたたら製鉄(もしくはそれに準じた製鉄)で、鍬・鎌用の強靭な鋼・刀用の玉鋼・鉄鍋、鉄窯用の鋳鉄が、(細かい部分は抜きにして)作ることは可能です。

 

 

鉄と言っても現代の鉄鍋とは違っていて、現代だと『南部鉄器』(厳密には現代より遥かに質の低い初期の物、現代のは「ねすみ鋳鉄」、この方式だと「白鋳鉄⇒可鍛鋳鉄」)が近いと思います。

『硬いけど脆い』って分かりづらいのですが、傷とかは付きにくいが衝撃に弱い、陶器がかなり近い性質になると思われます。

自分は、ガラスや陶器と違って、南部鉄器は触れたことが無いのですが、土鍋とかも意図的に衝撃を与えない限り、結構持つので、「丁寧に使えば一生使える」南部鉄器も、フライパンや熊鈴用に使われているので、簡単には壊れないと思います。この鋳鉄はかなり品質が落ちますが、江戸時代の日本の鉄鍋などと同類の品質と考えれば、初期の鉄鍋・鉄瓶などには利用できると思います。

 

 

反省文

①現代人バイアスがかかっており、鉄=鋼、現代のフライパンや鉄鍋の印象が強く、『硬くて脆い』銑鉄=鉄の認識が無かった。

たたら製鉄を調べていた頃は、『鋼』、鎌や鍬などに利用できる鉄を第一としていたため、鋳物の文を完全に見落としてる。文献も、玉鋼やけらなどに重点を置いてるのも拍車をかけた。

 

ガラスの吹きガラスの『吹き竿』、素材『鉄』になっていて、どうしても引っかかったので調べ直したんですが、おそらくこの銑鉄で作ってると思われます。

江戸時代『鋳物師』が鞴で鉄を溶かして修理していたって話も、『銑鉄』なら1200℃前後で溶かすことが出来、鞴・坩堝で届く範囲。おそらく、江戸時代の鉄鍋などはこの銑鉄で作られてると思われる。高級品とは言え、玉鋼・刀より銑鉄の方が需要が合ったのは、鋳造出来るなら納得。

この時に高温にする文献も見つけたのですが1500℃以上、『6m以上の高炉』・『コークス』・『水車を動力とした送風装置』が揃っていれば可能みたいです。手押し鞴を使った炉は、送風が足りなくなるので1~2mの炉が限度なのですが、正直1m~2mの温度が漏れないちゃんとした炉も難しいので、6mはハードルが高いと思っています。コークスも、記事で書いてるように簡単ではないんですよね、石炭の一番最高品質が必要ですし。とりあえず、当面は1200℃前後を基調とします。

 

改めて鉄関連の文献を読み直したのですが、自分の見識が深まってる部分があり、読んでて最初の手探りで読んでた頃より面白かったです。このブログだと本当に異業種の知識が必要なのですが、やはり一つに深くの方が強いですし、勉強しやすいと思います。

全然違う分野の本読むと、「何言ってんだ、こいつ?」って初級の本でも躓きますからね。これ系のブログが異常に少ないのは〇〇の知識はあるけど、〇〇は難しいってのが、続けるのにハードル高いです。

このブログも当然ながら『鉄専門』の方の方が、この鋳鉄の件以外も含めて、信憑性など確実に上だと思います。自分の知識のアウトプットもこのブログの意義の一つですので、参考程度に留めてくれれば幸いです。これで鋳鉄に興味を持ったり、間違ってるじゃんぷぷぅ(笑)って笑ってくれれば、いいかな?と。