異世界転生する前に

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異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

木酢液(竹酢液)・木ガス

最初の製鉄 で『製鉄』するのに大量の『炭』が必要になると書きました。炭の作り方は『木炭 』(木でも竹でも可)で述べてますが、これに一手間加えることで手に入る物質があります。

炭は、製鉄に限らず、鬼滅のように『炭焼き』で生計がたてられるほど、庶民の必需品ですので、どうせ炭を大量に作るのなら、ついでに作って置いて損は無いと思います。

木酢液・竹酢液

木炭 』で「穴や隙間から、白い煙が立ち上げます」と記載してますが、この木を乾留(酸素を奪った状態の熱分解)して炭を創る時の『煙』を冷やすと液体を回収出来ます。

これが「木酢液」(竹の場合は「竹酢液」)になります。回収の仕方は以下の図の「A」の通り。

分かりづらくて申し訳ないが、簡潔に言うと炭焼きの白い煙に煙突(現代ではステンレス製が多いが、古代なら『竹』でも可)さえ付ければ、気体が冷やされて液体を回収出来ます。

より効率を求めるなら、『B』の図のように煙突の周りを冷水か何かで冷やすとより回収率が上がります。

※当然ながら、炭を作る時の煙で、木を焼いた時の煙では無いので注意。回収する容器は、ガラスとかペットボトル(一時的に回収する際のみ)になるが『土器』(色々問題あるが、一応硫酸でも耐えると言えば耐える)でも可。回収液は強い酸性があるので注意。

 排煙口温度が80~150度とか、最初は回収しちゃ駄目とかあるが、その辺の細かい所は、実際にやって見てトライ&エラーで。温度が高すぎると逆にヤバイ物質(要約)が出来る可能性があるため。

 実は楠木から作る『樟脳』と同じ作り方。樟脳は葉からも採れますが。なんで、木酢液を作りたい場合は楠木を避けた方が無難。樟脳≠木酢液だと思うんですが、その辺はこのブログではどうでもいいので割愛。

 

その回収した液体を三カ月以上放置しておくと、図のⅭのように分離します。その中の真ん中の粗木酢液を回収します。現代の製品はこの粗木酢液をさらに分離するみたいですが、このブログではこのまま使用します。

使う場合には100倍くらい水で希釈して使用します。害虫駆除や作物の病気予防の効果があるみたいですが、木酢液を何の木から作るか?によって性質が変わるみたいで、正式には科学的効果を認められてません。

 

木酢液の使い道は、①害獣予防消臭効果が確実かと思われます。

①の害獣予防で使う場合には、入れ物ごと地面に埋めます。特に古代文明だと、作物の獣害=食料不足に陥るため、防護策の一つに考えても良いと思います。

また、拠点を野生動物に襲われないための予防にしておくのも良いかもしれません。熊でも猪でも野犬でも、対策無い場合序盤に襲われたら詰みです。

②の消臭効果は、現代だと体臭に対する効果を期待されることが多いんですが、古代だと『トイレ』の消臭にかなり効果的ですね。サバイバル状況でのトイレ事情で触れましたが、こういうの漫画や小説に書く話ではありませんが、『実際にあった場合』って考えると、臭いキツイとキツイと思うので、トイレに1本配置とかしても良いかもしれません。

 

①②だったら、そこまで必要性感じないって言われる方も居るかもしれませんが、この木酢液とその下に溜まってる木タールからは、更に先の物質を採取することが可能です。

木酢液⇒酢酸・メタノール・アセトン

木タール⇒テレピン油・クレオソート・ピッチ

ぶっちゃけ自分も勉強中ですので、とりあえずこういうの出来るってことだけ覚えてれば良いと思います。ただ、木酢液の80~90%は水分で、その残りの10~20%の半分は酢酸なので、他のに関してはかなり少量になります。明治時代に工業化されましたが、酢酸含めて現代では別な方法で採取されています。

 

木ガス(もくガス)

この木酢液を作る時、煙を冷やして液体になったものが『木酢液』になるわけですが、残りの煙は『木ガス』になります。(上の図のAの上部)木ガスの『ガス』は原料は全然違いますが、日本の家庭にある『ガス』ですね。

ガスですので、炭を焼く熱源に利用したりいろんな利用法や、回収すること自体は難しくないんですが・・・ガスを保管して随時出し入れする容器『ボンベ』が無理ですね。木ガスで車を動かすことも可能みたいなこと文献にもありますが、とりあえずはそういう物質が採取出来るってことで今回はとどめたいと思います。

(※『最初の製鉄』で鉄作ってるなら作れるのでは?って考えは、個人的には不可能とは言わないけど現実的では無いって考え。このブログで紹介した『製鉄』は、温度足りなくても叩いて鉄にする『鍛鉄』と呼ばれるもので、辛うじて鉄が創れるだろうってレベルです。鎌とかハンマーとかノミとか、釘みたいな簡単な製鉄品なら作れそうですが、煙突とかボンベとか空気が漏れないようにクルッと溶接した鉄の容器は、机上であっても出来るとは言いづらいですね)

 

 

木酢液の工業化で、日光に来てた外国人が日本の炭焼きを見て、木酢液を回収してないので「勿体ない」ってのがきっかけだと文献にありました。木酢液の工業化は明治以降ですね。存在自体は煙突付ければ回収出来るので、場所によっては知ってる人は知ってるって感じだったのかもしれませんが、何でも大事に使う江戸時代でも流石に煙は回収しませんか。大事なのは炭造る「ついでに(副産物)」として作れることで、確かに知ってたら勿体ないって言葉は出そうですね。

この木酢液・木ガスは、漫画ドクターストーンの原作の「この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた」にも取り上げられていて、そこでは煙突を螺旋状にして、そこを水で冷却して回収すると書かれています。最初読んだ時は、「木酢液なんて何に使うんだ?」って思いましたが、勉強して作った方がいろいろ利用出来るって理解した感じです。ただ読むんじゃなくて、勉強って大事ですね。

この「アセトン」って高校化学レベルなんでしたっけ?木酢液水酸化カルシウム(石灰乳)⇒+硫酸⇒氷酢酸って、高校レベルで分かるもんなんですかね。全然記憶に無いですね、高校化学選択教科だったかなぁ?仕事の合間合間に勉強して、自分の無知さともっと勉強しておけば良かったと実感する内容でしたね。