異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

パピルス紙

最近、とある異世界転生モノを読んで『紙』に興味を持ちました。実用性とか実生活には、割と遠い発明かもしれませんが、あるとかなり便利ですので、紙関係の発明を当ブログでも取り上げたいと思います。

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パピルス

紙の発明と聞いて、多少文献のある人なら、ペーパーの語源になったパピルスを思い浮かべると思います。自分たちが今現在使っている西洋紙を作るには、強力なアルカリ性の溶液(水酸化ナトリウムが妥当)が必要ですが、弱いアルカリ性の溶液(草木灰)を作った和紙ならば、木で道具さえ創れればどの時代でも作成可能だと思います。そのため、和紙を目指していくのですが、その前にそれ以前の紙の代用品も覚えておくと何かに使えるかもしれません。

 

まずは、石の壁に書く、地面に棒で書く。次に『粘土板』。河原などから粘土を採集し、それを平らな形にして、その上から木か何かで文字を描き、それを数日間天干ししたもの。日干しレンガと、内容的には変わらないものになります。

『木簡・竹簡』。木や竹の表面を削り、白い部分を露出させて、それを1行の長さに揃えて切る。(短冊のような形にする)そこに墨か何かで文章を書き、それを紐で結ぶ。用途によっては、木札のように一枚の大きな木面でも可。厚さによっては書いた後に、表面を削れば再利用可能。不必要な場合、燃料などにも転用可。

あと、『石版』と『羊皮紙』もあるんですが、石版は説明の必要が無いのと、羊皮紙は狩猟・蓄膿がこのブログで発展していないため割愛。

 

パピルス紙は、エジプト文明で使われた紙。その原材料のパピルス(カミガヤツリ)という水草が、1年中の温度が20~30度の地方にしか自生せずに、そもそも原材料の入手が難しい点があります。(羊皮紙の方が何処でも原材料が入手できるのが拡がった理由っぽいです。)やや趣味の分野ですが、パピルスが入手可能な地域に居ると仮定して話を進めます。異世界なら、近くに砂漠地方とかもあるかもしれませんし。

 

まず、成長したパピルスを刈り取ります。種を植えてから1~2年程度で刈り取れる大きさになり、一度刈り取っても1~2か月経てば、また同じ大きさになります。あと、味はしないみたいですが、パピルス自体は食用可能です。また、竹と同じように竹細工に近いモノとしても利用出来ます。

刈り取った茎の皮をナイフ(おそらく黒曜石のナイフが妥当)で剥ぎます。そうして、中の白い部分を露出させたら、それを縦に数ミリの厚さに切っていきます。繊維に沿って切る形になると思います。パキッって力を入れると折れます。

その切った繊維を、数日間~2週間以上水に浸しておきます。水酸化カリウムなどのアルカリ性の溶液を使えば早くなるみたいですが、強いアルカリ性の溶液があるなら、西洋紙を作った方が簡単ですので、ここでは無いものとして長時間水に浸けて対応します。

布の上に、しわを伸ばしながらそれを1枚1枚縦に並べ、その上に横に1枚1枚並べます。その上から、形が崩れないように槌など(角材などの方が妥当か)で叩き繊維を潰します。

布に包んでその上から岩などの重しを乗せ、2~3日脱水させます。脱水したら、4日~1週間ほど天干しすればパピルス紙の完成です。

 

パピルスを刈り取り、皮を剥いで、数ミリの厚さに割く。

②数日間水に浸け、布の上にしわを伸ばしながら一面を縦並び、その上から同じように横並ぶで並べる。それを形が崩れないように槌などで叩く。

③布に包み、その上から岩などの重しを乗せ、2~3日脱水。脱水したら、4日~1週間天干し。

パピルス紙の作り方は、多くの方法があり、繊維を潰すのが前後になったり、脱水を複数回行うなど、多少の違いあり)

 

紙は、『1度繊維をどろどろにして再構築したモノ』なんですが、文章にして書くとやや複雑になってしまいますね。

・・・この文章を見た人も、自分も途中でふと思ったことが『パピルスで紙が作れるなら、竹でも出来るんじゃね?』ってことなんですが、竹の場合は繊維が非常に丈夫なのか、蓋をして水に浸けて半年~1年発酵させないと竹紙として利用できないみたいです。このパピルス紙の作成も2週間前後の時間を擁しますが、さすがに半年~1年以上は実用性に欠けますね・・・。

本好きの下剋上」を見て、紙に興味を持ったのですが、このブログも基本的に生活で使える必需品の発明を急いでいます。シャンプー、簪、紙、音楽、本、お菓子などの嗜好品を攻めるこの異世界転生モノは、観点が面白いなって思います。部の後半に進むにつれて発明は無くなっていくんですが、物語は面白くなりますね。俺ツエーとかハーレムモノの異世界転生モノに食傷気味な方にはお勧めかもしれません。