厳冬期が終わり、そろそろ新春の季節になりましたね。厳冬期は、獲れる野草が限られてきますが、春になれば獲れる野草も増えそうです。
初春(1月~3月)を代表する野草の一つですね。主に山間部の残雪の下など、水気の多い場所に生えている野草です。
フキノトウの形は、上の写真や実物を見たことある方も多いと思いますが、中心の丸い花を中心に葉が太陽みたいなライオンみたいな形で生えています。独特な形ですので、一度覚えれば見分けが付くかと思います。採集の場合は、地上部のみ採集します(地下茎は有毒)。
このフキノトウ、完全に花が咲くと『薹(とう)が立つ』と言われ、食用に向かなくなります。薹が立った場合、フキノトウの花の部分は食べられませんが、花に繋がっている茎の部分(花茎)の部分は食用可能です。中に幼虫が入っている(厳密には幼虫も食用可ですが・・・)ので、食用する際には、取り除いて食べるといいでしょう。野草全般に言えますが、大丈夫だとは思いますが生では食べないでください。
また、フキノトウのあとに地下茎から生えてくる葉柄のフキも5~10月頃に葉っぱが食用可能ですので、併せて覚えておくといいと思います。
写真の様に開いて花が咲く前か、もしくは新芽の蕾状態が旬で食べごろです。・・・ですが、蕾の状態だとフクジュソウ(有毒)、ハシリドコロ(有毒)と似ていると言われています。
一番簡単な見分け方は、蕾の中を見ることですね。フキノトウは写真の様になっているのに対して、フクジュソウは黄色い花が、ハシリドコロは蕾の中にまた葉があるような形をしていて、中身が全然違います。分からなかったら、開くまで待ってもいいと思います。
フキノトウのアク抜き方法は、お湯に小さじ一杯の塩を入れて、2~3分程度煮込み、すぐに冷やします。
ちなみに、自分もここ最近フキノトウの味噌漬けを食べたんですが、独特の苦みにリバースしそうになりました。味噌は大豆がないと難しいですが、塩、酢、魚醤などの調味料で味付けしてないと、自分は難しそうです。
フキノトウ食べた時に調味料の大事さとアクのきつさを味わったんですが、その時に調味料っぽい野草が無いか調べたところ、この野草に辿り着きました。
山で修行僧(行者)が食べていたのが由来で、日本では東北以南の地域では、基本標高の高い高山の水はけのよい半日陰地に生えています。・・・が、5年とか7年とかかけてやっと採集出来るモノらしく繁殖力の高い植物では無く、年々数が減少している野生で見るのは貴重な野草になっています。こちらは栽培もされているようですが、手間がかかるため大量生産は難しい状況です。
見た目の特徴は、これも上の写真通りとしか言いにくいんですが、玉ねぎやニラと同じくネギ属の植物のため、茎の部分が白と緑の交じり合った長ネギみたいな色をしています。(これは綺麗な行者ニンニクですが、野生なら赤色っぽい袴がついている。食用の場合には赤い袴は剥いて、写真のような状態にする。)
その先からサーフボードのような形の半楕円形の葉っぱを、2~3枚(発芽から数年の場合1枚)伸ばします。
採集の場合には、4~6月頃に地上部のみを刈り取ります。厳密には地下茎も使えるのですが、先ほど述べたように繁殖力の高い植物では無く、地下茎を残して置けば、また来年生えて来ますので、長い目で見たらこの採集方法が一番適切だと思います。
ギョウジャニンニクと間違いやすいのは、イヌサフラン、スズランなど。見分け方で一番簡単なのは、葉や茎を切るか強く摘まむかして匂いを嗅ぐこと。ギョウジャニンニクはニラと同じネギ属の植物ですので、匂いを嗅ぐとニラ臭がします。以前、ノビルの見分け方でネギ臭で見分けると書いたのとほぼ同じような内容ですね。
ギョウジャニンニクは高山にあり、塩の関連上、海に近い場所に拠点を置くことになるので、気軽に採集出来る野草では無いと思います。しかし、狩猟で猪や鹿を狩るために山に入ることもあるかもしれませんから、その時に採集するチャンスがあるかもしれません。ニンニクと同じく滋養がつきますから、山籠もりなどする際には欲しい野草の一つですね。