異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

セメント・コンクリート・モルタル

※他の技術もそうなんですが、セメント・コンクリートは、それだけで専門家・本を1冊書ける内容で、1ブログ1記事に収まるような内容ではありません。また、作業も職人レベルの技術・管理が必要です。その上で、異世界・文明崩壊後のトライ&エラー前提で、知識として覚えておくと便利という点で記載します。

モルタル・セメント・コンクリート

『セメント+水⇒セメントペースト』

『セメント+水+砂⇒モルタル

『セメント+水+砂+砂利⇒コンクリート

この分野は、全て「セメント」から始まっており、逆を言えば、「セメント」さえ用意出来れば、材料自体は他は難しくないと言えます。

現世界では9割方「ポルトランドセメント」と呼ばれるセメントが使われていますが、文明崩壊後の初期状態では難しいと思っています。

ポルトランドセメントは、石灰石+粘土+珪石等を混ぜて粉々にして、1450℃焼成した後、少量の石膏を加えると作成出来るのですが、この「1450℃」は、自分のブログでは『初期』は難しいって判断しています。

(製鉄でも1200℃前後が上手くいけばいいかな?程度で、鋳造ではなく鍛鉄を採用しています。絶対行かないって訳ではありませんが、難しいと想定しています)

 

では、どうやって「セメント」を作るのか?と言うと、古代ローマのローマンコンクリート・・・もどきが、最初のセメントになると思います。

現代では、セメント=コンクリートなのですが、広義で言えば「消石灰」(酸化カルシウム、貝殻や石灰石を高温で焼き、そこに水を加えた水酸化カルシウム)「石膏」なども、固まる(水じゃなくて二酸化炭素と反応するので、気硬性セメントと呼ばれます)ので、セメントと言えなくもないです。

(そのため、消石灰+砂、石膏+砂も広義では「モルタル」と言えます)

 

この消石灰に粘土・土器の破片・・・最終的には火山灰(ガラスの素材であるシリカが反応する)を混ぜて水硬性石灰と呼ばれる、これがローマンセメントもどきになります

(水:石灰:火山灰=1:2:4)

後は、このセメントに、砂を足せばモルタル、さらに砂利を混ぜて固めればコンクリートになります。

(ローマの火山灰がシリカが多かったとかありますが、普通に珪砂の多い耐火性粘土を混ぜれば、「それなり」にはなると思われる)

 

 

消石灰自体が、強アルカリ性で、当然セメントも「強アルカリ性」なので、混ぜる時は基本素手で混ぜないように。比率ですが、ポルトランドセメントが、石灰石:粘土:珪石など=6:2:2ぐらいです。

なお、セメントでコンクリートを作る場合は、セメント:砂:砂利=1:3:6。(基本、用途によってまた異なる)モルタルの場合は、セメント:砂=1:3。

水の量に関してはセメントに対して、40%以上65%未満。

なお、コンクリートは固まるまでに1~3ヶ月の期間を擁するため、その間雨や凍結などに注意(現代では養生で防ぐ)。

(※備考 コンクリートは、現代で精密に管理されている『生コン』でさえも、外気温や到着までの時間(渋滞に巻き込まれて工場からの時間経過)などによって、性質が変化する物です。それを専門家でも無い自分達が完璧に把握するのは無理な話ですので、実際は異世界の気候・石灰やセメントの質などで、基本だけ抑えて置いてトライ&エラーになると思います。

ひび割れとか硬度とか、コールドジョイントとか言い出したら、ほんとにキリがないので、このブログではこの辺までで。後は、専門書がいくらでもあるので読み込んでください(丸投げ))

 

河川敷や港

一番端的に思い浮かぶのが、水関連の施設なんですが、コンクリートは水の中でも固まるんですが、施行の際には水が入らないようにするのが基本ですね。(今の高性能なコンクリなら出来るかもしれませんが)そもそも固まると言っても、流れの速い川や海だと波に固まる前に流されますし、水中で固まっても脆くなります。最初の灯台のコンクリも引き潮の際に施行して、石膏で覆っていたと文献にあります。

(塩害対策や、水セメント比を小さくして硬いコンクリを作る、現代なら高強度コンクリなどが使われてますが、割愛)

 

パーライトモルタル

このブログだと本題。製鉄などの為に耐火ブロックを作り、炉を作るためには、それを埋めるセメント・モルタルが必要になりますが、「通常」のモルタルだと耐火性がありません(壁とかに塗る分には何の問題も無い)。

炉を作るための耐火用モルタルが、『パーライトモルタル』になります。耐火レンガの作り方・最初の炉についてでも述べましたが、再度おさらい。(向こうでは、パーライトセメントで創る耐火セメント・ブロックの比率を記載)

 

パーライトとは黒曜石や真珠岩などを粉砕し約1000℃で急加熱することで入手出来る素材。

パーライトモルタルの配合比率は

『セメント1 川砂1.5 パーライト0.27 水0.62』

 

特に炉は、隙間があると風が入って温度がどんどん下がるので、レンガとレンガを繋げるだけじゃなくて、全体的に塗りたくっておくと効果的だと思われる。

 

 

モルタル・セメント・コンクリートは、条件次第では異世界転生後・文明崩壊後、割と早い段階で作ることも可能です。ですが、作るのは容易なんですが、壊すのは難しいです。状況によっては『鉄』よりも早い状況で作れますが、素手やそこら辺の石でコンクリートを破壊するのは難しく、個人的には最低でも『鉄器』で破壊出来るようになってから作成するべき物だと思ってます。

コンクリートを何に使おうとしてますか?溜め池とかを作りたくなりますが、場所によりますが、土で穴掘っても溜め池になると言えばなります。水路も土や木でも作成可能です。破壊・撤去が難しい以上安易に、コンクリートを使うべきでは無いと思います。

鉄筋コンクリートの家が思いつきますが、コンクリートで家作ると、『夏は暑くて、冬は寒い』です。そのために、現代の家では『断熱材』を使っています(欠陥住宅だと、これが拙いため上記の現象が起きる)。防火性以外は、正直木製の家の方が優れている。(現代ではいろいろ工夫がされている、あくまでコンクリートだけで創るならって仮定の話)

なんで、コンクリートで施行するとしたら、地下室・トンネル・炉辺りが妥当だと思います。あくまで持論ですが前提として、そこまで『チート』では無いと思った方が良いです。

例えば、戦国時代に「セメント・コンクリート」があっても、思ってるよりかはそこまで優位って感じでは無いのかも(やれることは増えますが)それくらい当時の木の建物やお城は、技術が詰め込まれています。

ただ、このブログの読者が「建築学」に精通してる・もしくはそれ専門の仲間を移転先・崩壊後に居るのなら話は別。

ローマの建物も、非常に精密な建築学に基づいて建築されており、現代の鉄筋を竹で代用した竹筋?コンクリートでダムや建物を造れるなら、話は変わってきます。

・・・ただ、当然ながら、現状の自分には大きな建物設計出来る能力がありませんので、あまり有益には活用できないかもしれない感じです。下手に創ると壊れるだけですし、今現代でも問題になってますが、コンクリートの建物の維持・管理問題も発生するので、自分はあんまり触れない分野ですね。