異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

クワの木、和紙の材料になる木

序盤で近くに在って欲しい木は、や柿などの果実が食べ物などに利用できる木、ハシバミトチノキなどの食料になる実をつけ食料以外にもなる木。ある程度、食料に目途がついてきたら『クワの木』があると他の産業に繋がります。

 

現在日本で創られる和紙の原材料は『楮、雁皮、三椏』です。ですが、野生で楮は見つけづらいと思いますし、雁皮は地域によっては絶滅危惧種に指定されており育てるのも難しいです。三椏は見分けは付きやすく日本紙幣の素材ですので一部の地域では重点的に育てられていますが、西日本や神奈川の山地などの地域以外では野生を見つけるのが難しいと考えています。簡単に入手出来る環境にあれば、もちろんこれらを利用したいですが・・・。

代用品、かつ、割と簡単に見つけられそうな紙の素材になる木が『クワ』ですね。(厳密に言うと楮はクワ科カジノキ属)流石に都会の公園とかだと難しいかもですが、生い茂った森林の中には『マグワ』『ヤマグワ』『カジノキ(日本だと西日本)』などが生えている可能性が高いです。

また、養蚕用に作られていた桑畑(地図記号廃止)の放棄地が見つけられれば、再度養蚕を行える土台になります。・・・自分たちの服も石油から精製される化学繊維があるので、養蚕などの産業が縮小するのは致し方無いことですが、石油を利用できる前の文明では非常に価値のある木の一種と言えます。

クワの見分け方で一番有名なのは上記の葉っぱだと思います。カジノキ系で有名ななんか槍の先に付いてる部分みたいな3つ又状の葉、もしくはヤマグワなんかが有名な逆ギザギザハート形の葉。・・・これはこれでもちろんあってるんですけど、野生の桑に関しては、必ずしもこうなっていない場合も多く(桑に限らず、野草あるあるですが)、なんかこの二つが合体したような桑の葉もあり、自分も含めて初心者が葉で見分けるのは困難とされています。もちろん、落葉樹だとか樹皮が灰色っぽいだとかとかも目安として覚えておいて良いとは思います。

じゃあ、何で桑の木の見分けをつければいいのか?に関しては上記の『桑の実』(食用可能、6月~7月が収穫時期)を見つけるのが一番簡単で確実かと思います。この実がついていれば『クワ科』には間違い無いですね。

一応、この実だけでもなんかウニみたいに花柱がぴょこぴょこ出てるのが『ヤマグワ』(上記写真)、出てないのが『マグワ』、形がブドウ系じゃなくて丸いのが『ヒメコウゾ』とかあるみたいです。桑の種類で紙のしやすさ、養蚕に使える・使えないが違うので頭に入れておくと良いかもしれません。

なお、この桑の実は当然のことながら、害虫(あと鳥とかも)も大好きなんで、桑の実を食べる際には塩水で虫殺ししてからの方が無難ですね。ジャムとかが有名ですが「砂糖」が無いです。

ちなみに蚕の餌の印象が強いですが、桑の葉は人間も食べられます。(生じゃなくて、柔らかい葉を茹でたりなど)・・・異世界モノの小説でてん菜(飼料用ビート)から獲れる砂糖を怪訝な顔するパターンがありますが、その人たちの気持ちも分からなくないですね。

 

 

日本で文明再構築する最初の和紙なら素直に「桑(他より数段階質は落ちると思うが)」で良いと思うんですが、異世界行ったら適してる木を探した方が早いかも。繊維が長くて太くて強くてかつ光沢があれば完璧。トライ&エラーで試してみても良いかも。

一応、この桑の樹皮からも糸が創れて布も作成可能みたいです。ただ、これも蚕の絹>麻>>>>桑みたいな感じらしいですね。カラムシは結構生えてるっちゃ生えてる気がするんですが、代用品として使うのもアリかも。特に糸。

養蚕に使う桑の種類は文献によって「ヤマグワ」「マグワ」の記載がごっちゃになっていますが、おそらく「マグワ」が正しいと思われます。ただ、「マグワ」と「ヤマグワ」も交配が進んでいて野生化してるのは、純粋では無いみたいです。こちらも実際やってみてトライ&エラーになりそうです。

ただ、養蚕に必要な桑の量はディズニーランドの敷地分以上の桑が必要。桑の木自体は挿し木(新芽のある枝を地面にぶっ刺して、水を毎日かける)で繁殖しやすいらしく、養蚕に使えそうな桑が入手出来れば、それを元に桑畑創るのも、理論上不可能では無いと思います。白川郷とかの昔の田舎は、山に自生してたか、桑畑を保有していて、養蚕の餌に困らなかったと思われますが、今は難しいかもしれませんね。