異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

砂糖(サトウキビ・てんさい・含蜜糖)

砂糖の原材料は?と聞かれればサトウキビ・てんさい(他にもあるが概ね)と、答えられますが、サトウキビ=沖縄・鹿児島の一部、てんさい=北海道で、『小田原』を拠点として考えてるこのブログでは利用が不可能なため興味が湧きませんでした。

・・・が、この間、静岡県三保の松原を訪問した際に、静岡県掛川市の横須賀地区で、サトウキビが生産されてた・されてる話を聞いて、これならワンチャン利用出来るかも、と考えるようになりました。

サトウキビ

サトウキビの生産が沖縄に集中してるのは、当然ワケがあります。

①サトウキビは一度植えると複数年栽培が可能だが、霜の降りる地域だと苗が死ぬため対策が必要。(具体的には土に埋めて保温など)沖縄ならそのままでも、収穫して株から再度生えてくる。(株出法、ただし年度ごとに砂糖の採集量が減るので三年が限度)

②気候が適している。20℃以上の高温と年間平均1200~1500ミリの降水量が必要。また、①と重複して越年が可能で長い期間育てられる。

③最大の理由として、日をたくさん浴びた方が、大きく育ち、砂糖の採集量も増える。

明らかに沖縄などで生産した方が楽+量も採集可能なので、他地区が駆逐されるのも致し方ないのですが、0と0.1は違うのと、そこまで質や量に拘っていない前提で静岡地区でのサトウキビの利用を目指します。

 

晩霜(現代ならビニールとかで対策する場合ある)に注意しながら、越年させたサトウキビの茎(厳密には節に芽がある)を3~4月頃(ここでは沖縄など以外の方法のため。沖縄などならもっと遅い)に埋めます。

水まきは、乾燥したら多めにかける(夏場は特に頻繁にかける)。本来は1年~1年半育てて大きくなったものを採集するのだが、ここでは冬前に採集する必要がある。節は霜の降りない地面に埋めて保管して、来年また埋める。

苗木に関しては、サトウキビは一応自生する植物なので、今静岡県掛川市横須賀地区で、サトウキビの採集が再開されているので、全人類が石化したら、ワンチャンありそう。(物騒なこと書いてますが、もし石化したらの話で、現代なら普通に購入してください)

 

砂糖の作り方(サトウキビ)

昔の方法だと、文献によると、茎をそのまま石と石で挟んで搾ったってありますが、ここでは現代推奨の方法を使います。ちなみにサトウキビは、あまり甘味はありませんが、生食も可能です。

①採集したサトウキビを洗って茎の皮を剥く。中身を細かく切ります。

(本来、サトウキビの皮は非常に硬いのですが、当ブログでは静岡県辺りで育てる前提の育ちきってないサトウキビなので、包丁や黒曜石が入ると想定。剥けなかったら皮ごと潰す方法で。)

②①で細かくした中身を粉々に潰す。この時に出る液体が、砂糖の元ですので、潰しながら回収する。布で搾りカスと液体を分離し、搾りカスを再度絞る。

(書いてて思いましたが、普通に石と石で皮ごと潰した方が早いかも。その時の状況に任せます。ローラーのように石臼のような周る石を幅を狭くして二つ並べて、その間にサトウキビを入れて搾ります)

③②で回収した液体を煮る。その時に出るアクは不純物なので掬いとる。そのまま、木べらでかき回し続けると、液体⇒練り飴⇒粉になる。

(※と、簡単に書いていますが、実際は砂糖は160℃になるとすぐに焦げるため、125℃が推奨なんですが、現実的にはある程度煮込んだら湯煎に切り替えた方が失敗しない。

「石灰乳」(飽和石灰水にさらに石灰を足して粉状に浮かした液)を混ぜて、放置して不純物と分離して、上澄み液だけ回収して加熱する方法もあります。

 海水⇒塩の精製もそうなんですが、水分飛ばすって言うほど簡単ではなく焦げる恐れがあるため温度控えめな関係上、時間がある程度必要な事だけは、頭に入れておいた方が良いかもしれません。古代文明ならなんでもそうですが。)

だいたいサトウキビ1キログラムから、100gの砂糖が獲れれば良い方だと言われています。このブログの推奨するサトウキビだとさらに少なく5%~6%獲れれば良い方だと思います。

サトウキビの搾りカス(バガス)の方は、燃料に使ったり、堆肥にしたり、水酸化ナトリウムを使って洋紙を創ったりするのに使えます。

甜菜(てんさい・ビート)
関東圏に住んでる身というか北海道以外の方は、ほんとに馴染みのない作物だと思うのですが、異世界転生だと甜菜(ビート)から砂糖を精製するの現代チートのお馴染みですよね。欧州では家畜用の餌として育てられていて、「こんな家畜の食べるようなモノから~」ってのが定番ですね。その台詞通り、甜菜は生食や人間の食卓で食べるには不向きです。

甜菜の育成に関しては、昼夜の温度差が大きいほど砂糖が出来やすいため、夜の温度が高くなる関東圏では難しいと言わざるを得ません。北海道100%ですし。東北なら静岡のサトウキビと同じような場所あるかもしれませんが、小田原拠点だと利用が難しいですね。(品種改良とかは、また別のお話)

異世界転生先が、中世の欧州なら、育成はしていると思いますので、ここでは甜菜からの砂糖の取り出し方のみを記載。甜菜は、北海道では紙筒を使った栽培がされていて、ちょっと面白いので興味があれば調べてみてください。(北海道だから適している方法っぽく、欧州では不要っぽいのと、ただの新聞紙では無く特殊な紙のため、異世界の中世で使える知識では無いと思われます、多分)

 

砂糖の作り方(てんさい)

①採集した甜菜を洗って、皮を剥く。汚れた部分や土の入り込んだ部分を取り除く。

②①を1cmくらいの細かい角切りにする。

③鍋に水を入れて『70℃』にした後、火を止め。後から(最初から甜菜を入れない)②を入れて『70℃』を維持した状態で保温して浸ける。(70℃以上にすると要約すると不味くなる)だいたい1時間ぐらいそのまま保温して浸けて置く。

④①を布か何かで濾して、甜菜と液体に分離する。甜菜を布に入れて搾って、甜菜から出る汁も回収する。

⑤サトウキビの③同様の方法で、加熱して液体⇒練り飴。注意点も同様。甜菜の場合は、練り飴⇒粉には成らず(砂糖入れて結晶化を促せば別)、結晶になったかな?くらいで回収して、冷やして固形にして粉々にします。

 

ちなみに使わない葉っぱと、絞った搾りカスは、燃料・堆肥・家畜の餌として利用されます。

 

含蜜糖(がんみつとう)

この方法で作る砂糖は、サトウキビ・甜菜ともに、茶色っぽい砂糖で、『含蜜糖』の黒糖って呼ばれる砂糖で、自分たちが今現在よく見かける白い砂糖(精製糖)ではありません。

要は、この黒糖からショ糖以外の成分をひたすら除去したのが、白砂糖になるんですが、『遠心分離機』とかいう単語も出てくるのと、正直、このブログで白砂糖に拘る理由はあまりないかな?と。栄養価も黒糖の方が上だし。

白い砂糖を創りたい、白い金平糖が創りたいって思ったら、また調べますが、今回はとりあえずここまでで。

 

 

これで、このブログで砂糖・塩・酢(果実酢)、魚醤 の作り方を紹介したので、あとは「醤油(大豆)」「味噌」だけなんですが、『麹』があれば出来ますが・・・。麹は、基本日本しか入手出来ません。異世界で麹菌浮いてれば入手出来ますが、過去のヨーロッパでは、日本から輸入しないと無理ですね。覚えておくと、小説書く時と異世界転生する時に役に立ったり、恥かかなくて済みますね。麹もそのうち、纏めて記載する予定です。