異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

製粉と石臼

少し前に小麦の話をしましたが、小麦を脱穀してもそのままだと不味い(食べられなくは無いのですが・・・)ので、粉にする必要があります。製粉に関しては、縄文時代にはどんぐりをクッキーにしていましたので古来からあります。

小麦粉のイメージが強いと思いますが、鉱石も粉にすると絵具に使えたり(辰砂などが有名、水銀なので酸化鉄の方が良いですが)、鉱石の浮遊選鉱などのために粉々にする必要があります。

小麦粉だけでなく、茶とかソバとかも製粉が必要で、米の小米も本来食えた物じゃ無いのですが小米を粉々にすると食べられるようになります。ソバや小米は飢饉などの食料不足の時に役に立つので、保存考えても食糧難にこそ『製粉』が必須ですね。

 

石皿・磨石

道具・・・と言えるほどでも無いのですが、くるみ割りなどに関しても、一番何処でも出来ていつでも出来るのは、石と石ですり潰すことだと思います。どんぐりなどは歯で砕く手もありますが、『硬い石』ってシンプルですが、本当に便利ですので、まずはこれで製粉することになります。

サドルカーン
同じく石器ではあるんですが、薬を挽く薬研・腹筋ローラーみたいな丸い石に穴を開けて、その間に木の棒などを通してすり潰す石器。

石の穴の開け方覚えてますか?穴開けたい部分を水でふやかして、そこに硬い石の砂利(あればダイヤモンド・コランダムなど、硬ければ何でも良いが)を押し付けて、錐揉み式火起こしの様に棒を押し当てて回せば、数時間で貫通します。勾玉とかがこの作り方ですね。

つき臼・杵

今では餅つきぐらいにしか使われない主に木製の臼と杵ですが、頑張れば脱穀・製粉が出来ます。きちんとしたのを作ろうとしなければ、素人大工でも作れる範囲だと思います。水車が完成していれば、それを利用して半自動で製粉することも可能です。

写真は『横杵』ですが、古来では『たて杵』の方が使われていました。まぁ、石じゃなくて棒で叩いて製粉するだけなんで、竪でも横でも良いんですが・・・。

石臼(ミルストーン)
本題の『石臼』なんですが、まず家庭に一つは欲しいと言われていてた昔の必需品で、可能ならば文明再興時にもなるべく早く入手したい物です。

石臼が一番有名ですが、上記の道具の間に木で出来た木臼、粘土で作った土臼もありますが、一気に飛んで石臼を作成して良いと思います。

・・・が、石臼の作成、特に『目立て』が職人技が必要ですね。今の日本でも石臼の目立て出来る人多くないと思いますし、自分も出来ないですね。それいったら大工の凹凸も出来るわけないですし、異世界・世界崩壊後に『職人』が居ることを期待、もしくは向こうでトライ&エラーで石臼を粉が挽けるようにしてください。

 

石臼の素材ですが、花崗岩とか玄武岩とか、要が硬い石です。このブログでは丸く切るのが非常に難しいので、それっぽい石を二つ探して調整することになります。博物館とかにも、綺麗な丸じゃない石臼あると思いますが、狙い的にはああいう感じですね。

目立てに関しては『鋼鉄』のノミですね。製鉄出来てれば、叩いてぶつけるだけのノミくらいは出来てると判断します。

石臼の目ですが6分割・もしくは8分割で上の写真を「暗記」してください。〇〇だと〇〇の方が向いてるとか結構あるみたいです。(溝の数や深さも同様。向こうで研鑽してね、丸投げ)

石臼は上臼と下臼、同じように目立てをします。仕組みとしては「ハサミ」と同じで、同じ文様を上下反転させるとハサミの様に直角に混じって切断効果がある・・・まぁ、仕組みはともかく上と下で同じ紋様をつけるので、6分割・8分割、溝の広さなどは均一にします。

                       粉の文化史―石臼からハイテクノロジーまで  より引用

上が石臼の断面図なのですが、上臼と下臼を凹凸にして隙間「ふくみ」だんだん外につれて狭くなり、一番の大外では「紙1枚」が理想と言われる隙間になり、そこから粉が挽きだされます。下臼は傾斜を付けても、付けなくても構いませんが、山が出来ると外に行かないので注意。

真ん中の棒を『軸・心棒』と言い、要は上臼と下臼をズレないようにする・高さが紙1枚になるように調節する役割をします。これの素材なんですが、一応『木型』、硬い木でも可能ではあるんですが、現実的には『鉄製』になると思います。

 

改めて石臼の使い方ですが、矢印から粉にしたい物を投入して、取っ手を掴んで左回転・反時計回り(一部例外もあり)に回せば、石臼の外から製粉されて出てきます。

 

まとめ

①製粉は、初期の状態でも、石や木などで効率的では無いが製粉にすることは可能。

②サドルカーンやつき臼など少し便利に改善可能

③非常に便利な『石臼』だが、目立ての関係上、最低でも『製鉄』以降~の技術が必要。また、石臼を0から作り、製粉出来るようにするには『職人技』が必要で、素人だと上手く粉にならない可能性大。が、トライ&エラーすれば精度はともかく、粉にするくらいなら可能かも。

このブログでは今後、石臼を上手く作れたor作れてない場合は石や木で磨り潰す体で進めます。

 

 

石臼を使うだけなら、投入して左回転するだけの簡単な道具なんですが、「なんで、すり潰れるの?」とか「なんで、左回転なの?」とか突き詰めてくと結構深い道具です。ただ、それやってると〇〇学の世界ですし、あと数年は居るので、今回はアンニュイな感じで。

石臼の作成に関しても、形が同じような物なら自分でも作れそうではありますが、精密な物を作るとなると、ただの会社員の自分には難しいって結論。どっちにしろ『職人』無しじゃ文明再構築不可能ですし、何人も居ればそういうの得意な人も居そうですし、トライ&エラーすれば届く範囲かな?自分で作れなくても「こんな感じ」って概念を説明出来るのなら石臼に関しては十分だと思っています。

それでも目立てを自分でしたいのなら石工房吉田さん(株)溝口石材工業さんなどの専門家が分かりやすく詳しく説明しています。