異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

黒色火薬

※当ブログは、異世界転生した際や、文明崩壊後の世界で役に立つ情報を現世で覚えておこうという趣旨を主としています。そのため、現世界では「取り扱い」自体が法律違反になる場合も取り上げています。あくまで、異世界や崩壊後での世界の為にお役立てください。

黒色火薬

世界三大発明は「羅針盤」「活版印刷」、そして「黒色火薬」。黒色火薬自体がうんぬんよりも「銃」を早めに作れると狩猟の対獣がかなり楽になります。銃を作らなくてもトリカブト弓矢 、落とし穴などの罠で熊などを狩ることは可能ですが、こちらの危険性がかなり高い上に駆除が成功する可能性も高くありません。北海道での事件のように、村に熊が襲ってきたら、銃が無ければ対抗手段は無いでしょう。魔法が銃の代わりをする世界ならいりませんが、そうでないなら、仲間を守るために村の安全を守るために火薬と銃を手にするべきだと思います。他にダイナマイトには大きく劣りますが、発破や石切りなどにも一応利用出来ます。

 

黒色火薬の素材は「硝石(硝酸カリウム KNО₃)」「木炭 」「硫黄」(松脂などを混ぜる場合もあり)で、当ブログで全て紹介しています。文明崩壊後の日本と仮定すると、木炭と硫黄は簡単ですが、硝石が難関かもしれません。逆に、異世界ならダンジョンあれば硝石あると思うので、温泉探して硫黄を見つけることになるかもしれません。

 

比率は、使い方によって多少変わりますが、硝石75・木炭15・硫黄10。個別の粉をかなり細かくなるまですり潰す。この時、石の上だと着火する可能性もあるので、木のすり鉢と臼を使うのが好ましい。(火打ち石の欄を参照)

細かくしたものを混ぜるのだが、先に硝石・木炭(それ以外を入れる場合はそれ以外も)を混ぜてから硫黄を混ぜる。きちんと混ざるようにしっかり混ぜる。この状態の火薬に火をつけると、激しく燃える。(花火を想像してもらうと分かりやすいかも)

元寇でモンゴル軍が使った「てつはう」がこの状態だと思うんですが、この状態では威嚇にはなるでしょうが、そこまで役に立つと思えません。目くらましなら、閃光を出して燃えるマグネシウムを利用した方が良いでしょう。

 

黒色火薬を爆発させて銃の玉を撃ちだしたり、発破が出来るようにするには『コー二ング』と呼ばれる作業が必要になります。5%程度の水分を混ぜて粉末を球体状にします。(可能ならば湿らせた皮の上で作業するか、十分に湿気がある状態で作業したい。この状態だと摩擦でも爆発する可能性有)ドクターストーンでは「ブトウ糖(グルコース)」を混ぜると威力が上がると述べられていました。入手しやすさだと、デンプン(葛粉が溶けた水など)でも威力が上がりそうですかね?

球体状にした粉末を湿気・水気があるうちに、粒状にまで砕きます。そうしたら、それを高温にならないように乾燥させて水分や湿気を捌ければ完成です。これを紙やプラスチック容器に圧縮して密閉することで、発破が可能なほどの爆発力を持ちます。『火薬』ですので、少量でも指くらい簡単に吹き飛ばせる(実際、中学生がシャーペンの芯入れに黒色火薬を入れて密封させたことによる事故が起きている)ので、当たり前ですが取り扱い厳重注意。

 

黒色火薬は湿気に非常に弱く、直接水に濡れなくてもしけって使えなくなります。(再度、乾燥させれば使用可能な場合も有)そのため、保管には火気厳禁以外にも湿気対策が必要になります。火花や静電気、摩擦熱などを考慮して密閉出来る木の箱とかが妥当ですかね。

火縄銃が一番イメージしやすいと思いますが、黒色火薬は使うと轟音と白い煙を大量に出します。そのため、部屋の中などで燃やすと部屋中煤だらけになります。火縄銃も一発撃つと銃口が煤だらけになり、弾を詰めれば連発が全く出来ない訳じゃありませんが、銃口を清掃しないで撃つと、暴発の可能性が高まります。

余談ですが、幕末のペリーの黒船来航の轟音のする空砲ってのは黒色火薬です。中世の海賊船の砲台とか、城攻めの大砲とか全部黒色火薬です。日本と米国では、蒸気機関などに雲泥の差がありましたが、「火薬」の種類は一緒だったと思うと面白いですよね。次にニトログリセリンなどになるわけですが、古代からかなり長い間使われた火薬で、今でも花火に使われる現役の火薬ですので、無かったら発明して損は無いと思います。

 

 

現社会状況で黒色火薬は、思う部分があるんですが、硫酸でも水酸化ナトリウムでも包丁でもノコギリでもそうですが、道具やモノというよりそれを使う人の問題だと思います。黒色火薬自体は、三大発明なのでいろんな文献に作り方が載っていて、軍隊経験者でなくても、高校生などでも創る気にさえなれば創れると思います。

このブログで、科学とか調べる前、『硫酸』ってアシッドアタックとかで、怖い薬品ってイメージしかありませんでした。もちろん、危険な薬品に変わりはないんですが、同時に化学の基幹でもあり、国の化学産業の指標にもなってると知りました。知識を敬遠してるとそういうのにも気づけないのかな、と。

異世界転生とかで逃げたくなる苦しい世界ですが、黒色火薬が悪い、作り方が悪い、じゃなくて、それをそういう風に使う人が二度と現れないような社会になって欲しいと願っています。