ネジ
自分たちが知ってる『ネジ』は、鉄やステンレス製が多いのですが、初期の初期は『螺旋の貝殻』が起源とされているらしく、古代ローマなどでは『木ネジ(現代と意味合いは違い、木で出来たネジ)』を利用しています。例えば、オリーブのネジ圧縮機や、グーデンベルクの印刷機に『木ネジ』が用いられています。
つまり、木とそれを掘削出来る道具があれば、初期でも理論上は『ネジ』の利用が可能。現実的には、木ネジだと『プレス』はともかく、締結だと釘や楔に劣るので、鉄製が現実的だとは思いますが。
ネジは、円柱状の棒(鉄でも木でも可)に螺旋の溝を作れば作れるのですが、大問題として、この『螺旋』ってどう刻めば良いの?って問題があります。
日本最古の自作ネジは、火縄銃の『尾栓』と言われていて、今のような大量生産ではなく『1つ1つのオーダーメイド』として、手で削る作業を行っていたと言われています。
①円柱状の物体を用意する。(木でも鉄でも可、ただし削れる道具が必要)
②『直角三角形』の型紙を用意し、それを①に巻き付け、その軌道上に線を取る。すると、それが螺旋状になるので、そこをそのまま削れば『ネジ(おネジ)』になる。
もしくは、
螺旋が出来るのであれば、つたなどを螺旋状に絡めて、螺旋の軌道を作り、そこを削る。この方法が、実際行われた方法らしいのですが、個人的には『直角三角形』を推奨。
上記が自分たちが知ってるネジなのですが、ネジは釘と違って基本は入れる方にも細工もしくは『めネジ』と呼ばれる受け入れる素材が必要です。
(※現代ではキリで穴開けるなど、素材によっては力業もありますが、このブログの場合は、あくまで釘が利用できない場所への利用のため、めネジ推奨)
①でつくった『おネジ』に熱して柔らかくした鉄を被せる。それを冷えて固まる直前におネジを外すと、めネジが完成。そのため、現代と違い1対のオリジナル(後に基準・規格が作られ、大量生産に繋がる)になるため、管理や利用など注意。
(※厳密には、この方法で作られたのでは?と言われているレベルなのですが、ある程度有用なのは、確認されている。後は、向こうでトライ&エラー)
現代と同じように『タップ』を作りめネジを作っていた説もあるのですが、『自分の知識で』、タップを1から作るのは難しく、このブログでは割愛。工学系に詳しい仲間がいれば、条件しだいでは出来なくもない?
同じくねじ切り旋盤も理屈は分かる(掘削の道具を当てて、回転させたネジに、刃を平行移動させる)んですが、木の削りであっても、刃の方が折れてどっか飛んできそうで、難しいかと。最初、手動でやってたみたいな話も聞きましたが、言うほど簡単では無いと思う。ただ、道具があればこれも届かなくはなさそう。
・・・と、ふわっとした説明なんですが、『最低限』それっぽいのが出来るが上記の説明になります。実際には、ピッチとか角度とか『工学』的な知識が大量に必要になり、ネジはその辺にあるんですが、意外と深いです。
自分も、ねじ切りダイスやねじ切り旋盤、ボタンを押して成型してくれるなど『規格』が決まってる・道具が使えるなら、そこまで難易度は高く無いのですが、自作となると容易では無く、『職人』って言葉に頼らざるを得ないですね。理論上は、道具があれば作れる道具の1つかと。
また、文明が発展していない木の文明だと、『ネジ』の代用でほとんど『釘・楔』で事足りてしまう部分もあります。火縄銃でネジが出てる江戸時代でも、ネジはほとんど利用されていないみたいですし。1つ1つオーダーメイドですし、釘の何倍も作るの大変なのも理由の1つかと。
ただ、現代の機械工作では『必須』と言っても良いので、産業革命以降、鉄のからくりを作るようであれば、釘では代用出来ないので、ネジの発展が必須になります。ふわっと作って、あとは向こうでトライ&エラーで。機械設計とか、少しだけ触りましたけど、数学ってこういう部門で使うんですね。専門でも無い自分が、あまり突っ込むとボロが出るので、『とりあえず』のネジであれば、こんな感じと記載しておきます。