異世界転生する前に

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異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

硝石・食塩の吸熱反応を利用した冷却

現代の『使い捨てカイロ』が有名だと思うのですが、アレは火とか電気を使ってる訳では無く、化学反応『鉄(純粋な鉄粉)+酸素⇒酸化鉄』の反応の際に出る『発熱反応』を利用しています。

これの逆の反応が『吸熱反応』で、現代のエアコン・冷蔵庫はこの化学反応を利用しています。氷室以外で、こういう反応をうまく利用すれば、古代でも『使える技術』になると思います。

 

硝石(硝酸カリウム)+『水』の吸熱反応

古代のアイスクリームの作り方みたいなのを調べた時に、硝石(硝酸カリウム KNО₃)を水に溶かすと、水の温度が大きく冷える(吸熱反応)と知りました。だいたい硝石を水に溶かすと、10度前後下がると思ってくれれば。

『硝石』は、火薬などでも使いますし、時間はかかりますが入手する素材の1つではあると思います。1度溶かした後、水を蒸発させれば、硝石を再結晶可能で再利用可能なのも利用しやすい。

(※硝石は、作り方的にも基本服役しない方が良いです。肉の食料保存に硝石を使っていたこともあり『少量』なら問題無いのですが、この水を誤飲すると危険です。)

 

硝石が溶けると温度が下がるため、硝石の溶ける量も減っていき、『飽和水溶液』になると溶けない=それ以上温度が下がりません。あくまで、『冷たい水で冷やす』のが限度で、冷凍では無く冷蔵。

塩を水に入れると0度でも凍らない『氷点降下』が起きます。そのため、0度以下の水(正しくは、硝石が溶けた水)でも凍りません。硝石入れるだけで氷漬けになるか?と言われたら基本『ならない』と思います。硝石を『水』に溶かすと、-2~3度が限界でその温度で水を間接的に凍らせるのは難しいと思います。

(※氷をより冷やすのには、硝石の代わりに『食塩』でも代用可能なのですが、この水に対する冷却は代用になりません。食塩を水に溶かしても2度位下がる程度)

 

夏の川にスイカ浮かして冷やしてるのと同じような効果ですか、たとえばワインなどの飲み物を、夏に冷却したい場合、この硝石で温度を下げた水で冷やすと『冷蔵』が出来ます。古代にクーラーボックスも冷蔵庫も無いと思われる(やりようが無いわけでは無いですが)ので、夏にぬるい水より冷えた水飲みたくなったら、使えば良いかも。先述の通り、硝石を回収できるので、コスパが悪くありません。貴族とかに出したら、怒られそうですが・・・。

 

食塩(硝石でも代用可)+『氷』の吸熱反応

水では無く、すでに凍っている『氷・雪』などに、食塩(硝石でも可)をかけると、氷・雪が解け-20度前後の非常に冷たい水(正しくは水溶液だが)になります。そのため、食塩=融雪剤でもあります。新潟などの北陸の雪国の場合、需要が高いと思われます。

(※ただし、食塩も-22度で凍り付くため、状況によっては注意。現在は、塩化カルシウムが使われており、『ソルベー法』の副産物で出来るらしく、そこ目指して副産物で、新潟・東北に融雪剤売りまくるのはアリかも)

 

小学校の自由研究などで行った方も居るでしょうが、この-20度の水溶液を、鉄などの熱伝導率の高い容器にジュースなどを入れて、『間接的』に凍らせるのが、上の『アイスクリーム』などになります。アイスというか、ソルベとかシャーベットとかって感じになると思います。

 

まとめ

『硝石』を『水』に溶かすと、大きく温度が下げられ、その水溶液でワインや飲み物を間接的に『冷蔵』として冷やせる。水には食塩の場合、低下温度が低い。

『食塩』を『氷』に溶かすと、氷が解け-20度前後の非常に冷えた水溶液になる。それを使って、水やジュースなどを間接的に冷やし、凍らせることが可能。

※注意点として、水⇒氷を、水に硝石を溶かしただけでは難しいと思う、そのため、アイスや氷を作るのには、『最初の氷』が必要になると思われる。

 

 

どの書籍にも『水を硝石で冷蔵』、『氷に硝石を入れてより冷やす』はあるんですが、『水に硝石を入れ続けて冷凍』が無いのでその辺どうなんだろう?って思ってましたが、中国語の動画で古代氷の作り方?みたいな動画で、実際に硝石を水に入れて-2度が限界って実験を行っていました。

絶対凍らないわけではないと思いますが(実際、水滴とか一部は凍りそう)、なろう系とかである、硝石で氷を大量生産は無理そうですね。ただ、最初の氷があれば、ソルベやアイスクリームを急速冷凍で作れるのは事実。使えない知識では無いのですが、意外と使いどころが難しい知識かもしれません。

 

例えば『真空』を真空ポンプで作れるとか、硝石・食塩じゃなくて、ジエチルエーテルとか、ほかのもっと-10℃くらいまで冷える寒剤を使うのであれば条件が変わるのですが、それはまた入手が別になるのと、このブログだと先の話になりそう。

エアコンとか冷蔵庫も、このシステムをアンモニア・フロン(現在は両方とも使われておらず、代替フロン)で応用した形なので、覚えといて損は無いかと。前に『鉄砲風呂』の記載をしましたが、見た感じのイメージはアレに近いのですが、コンプレッサーやなんやら、仕組みはなんとなくわかるのですが、作るのは大分ムリゲーですね。

このブログが、0からスタートなので、もっと先に行きたい・行ってる人の少しでも参考になれば幸いです。