異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

味噌(米味噌)・たまり醤油・醤油(大豆・麹)

麹(こうじ)・種麹 で述べたように、麹菌は日本を含む東洋でしか生息しておらず、異世界転生の世界や中世ヨーロッパへの導入は基本的に不可能です。(異世界が日本と同じく麹菌が生育していれば可能)

そのため、『知識チート』に味噌・醤油(魚醤 なら可能。イタリアに『コラトゥーラ』っていう近いモノがある)は、出来ません。

出来ませんが、自分毎朝味噌汁派なのと、このブログでは文明崩壊後の小田原=『日本』なので、復興の暁に味噌を創りたいので、趣味で記載していきます。

味噌

味噌なんですが、大きく分けて『米味噌』『麦味噌』『豆味噌』とそれぞれ米麹・麦麹・豆麹を使った3種類の味噌があります。味噌造りに、大豆が必須なので「豆味噌」が一番簡単に見えますが、種麹の入手のしやすさから、自然発生の麹を使うなら『米味噌』一択だと思います。(詳しくは、『麹・種麹』参照)

以下、米味噌の作り方を記載。なお、麦を使う麦味噌も、米と麦を入れ替えれば可能です。

 

①味噌の仕込みは、『寒仕込み』。暑い時期では無く、寒い時期にやるのが望ましい。具体的には1~2月、遅くても5月まで。

②事前に『麹・種麹』を参照にして、米麹を準備して置く。米麹(米)の量は、使う大豆と1対1。

(※他の製品でも基本そうだが、味噌も熟成期間が長い間必要なため、1度の仕込みは多めが好ましい。少量作るのではなく、最低でも5キロ以上は仕込みたい)

③大豆を流水でよく洗い綺麗な水で半日~一晩浸けて置く。大豆に水を吸わせるのが目的なため水の目安は3倍以上。

④大豆を弱火で3~4時間煮て柔らかくする。目安は、小指と親指で潰せる硬さ。大豆を湯から出してペースト状に潰す。この時の残り湯は後で使うので取って置く。

⑤米麹に米・大豆の半分の量の食塩を混ぜておく。

(※米:大豆:塩=1:1:0.5で、塩分濃度20%は、本来の味噌よりかなり塩分濃度が高いのだが、今ブログでは『冷蔵施設が無い』状態で、長期保存が可能・長期熟成予定かつ成功率が高い方法でこの比率を推奨。現世界で創りたいのなら、塩の比率を下げた方が適切)

⑥④・⑤を混ぜ合わせ、③の残り湯で混ぜやすい硬さにしながら、混ぜ合わせる。

⑦木桶・味噌カメ(現代ならバケツ)を用意して、(現代ならさらにビニール袋で空気を遮断)丸めた⑥を底に叩きつけるように入れる。

(※空気を入れないようにするため、空気が混じってると味噌がかびる。⑦から続ける場合も、空気が入らないように注意しながら、埋めていく)

⑧入れ終わったら上に塩を撒き、あれば和紙(現代ならビニール)で封をする。その上に蓋と重しをして、直射日光の当たらない冷暗所で半年~1年寝かしておくと完成。

(やらなくても可能だが、熟成中(約3か月後)に『天地返し』という作業をすると、品質が良くなる。やり方は、味噌を取り出して⑦を再度行う。熟成中の白カビは気にしなくても良い。白カビ以外は取り除く)

 

 

この味噌造りの熟成中に、液体が溜まるんですが、それが「たまり醤油(熟成に1~2年必要なので、出ないかもしれませんが)」。今の濃い口醬油とは製法が違うんですが、古来の『醤油』と言えば、この醤油を指すそうです。

(※大豆だけとか、小麦少量とか、いろいろ条件もありそうですが、液体出たら『たまり』で良いかと。量はほとんど獲れませんし、自作味噌のオマケ程度です)

味噌は発酵食品ですので、消費期限(賞味では無い)は数年持つって言われてますので、熟成すると言うか、使いきれないうちに発生するかもしれません。現代も味噌屋とたまり醤油屋はセットになってることが多いです。

 

 

余談 これ調べてる途中に、おから(大豆から豆乳を抜いた物)で味噌造れるなら、豆腐+味噌が出来るんじゃね?と思ったんですが、『無理』っぽいですね。

まず、大前提として、おからで味噌が創れるなら、豆腐屋がとっくの昔にやってると思う。やってない以上はそう言う事なんでしょうね。

おからから作る「おから味噌」って名称の物があるんですが、味噌もどきというか、味噌の味がするおからって感じです。豆乳・おからは、味噌と違って足がはやく、この「おから味噌」も早めの消費が好ましいもので、数年持つ味噌の特性を持っていません。現代で創る分には良いんですが、このブログの状況では、長期保存が可能な本来の味噌を推奨。そもそも現代ではおから破棄してるみたいですが、食料難の可能性が高いこのブログの状況なら『食え』って話になると思います。

濃口醤油

味噌の副産物じゃない、現代自分達が使ってる『醤油』はどうやって作るの?って興味を持つと思います。

大豆+小麦(厳密には小麦粉が近い、米粉でも可)+種麹(現代なら100%醤油用種麹推奨、今回は米麹想定)+食塩水

大豆:小麦:水:塩=1:1:2:0.9前後(食塩水の濃度が22~23%、自分の舌に併せて要調整)

 

※仕込む時期は、味噌と同じく寒仕込みが好ましい。

①大豆を流水でよく洗い綺麗な水で半日~一晩浸けて置く。大豆に水を吸わせるのが目的なため目安は3倍以上。

②大豆を弱火で3~4時間煮て柔らかくする。目安は、小指と親指で潰せる硬さ。

③小麦をきつね色になるまで炒る。その後、棒(あれば石臼)で粉にする。

④②の上に③をかけ、そこに種麹を満遍なくまぶして混ぜる。

⑤湯煎や布で包むなどして、④を30~38度辺りを維持する(高すぎると大豆に納豆菌が発生して、低すぎると麹の動きが弱まる・止まるため。大豆+小麦含め、大豆を使って麹菌を創るのは、米や小麦より難易度が高いため注意)

⑥15~18時間後に1回全体を混ぜる(手入れ)、さらに10~12時間後にもう一度全体を混ぜる。だいたい3日間ぐらいで『醤油麹』の完成、色合いで確認。

⑦木桶(現代ならビンやバケツ)に⑥と食塩水を入れて混ぜる。封を軽くして、冷暗所で保存。

⑧週に1~2回、全体をかき混ぜる。産膜酵母(白い薄い膜、シンナーのような匂い・無害ではありますが味や匂いが落ちる)が出来て居たら取り除く。

⑨半年~1年(2年~3年の場合もあり)熟成したら、漉し袋に入れる。無理に絞り取るのではなく、自然に流れ出るのを回収。出なくなったら、重しを載せてもう少し回収する。この状態を『生しょうゆ』。

(※この醤油の「絞り粕」は、一応食べられるが、同じ搾りカスの『おから』に対して一般的に販売してないように、やや不評。燃料・肥料・家畜用飼料が、一般的な使われ方らしい。)

⑩生しょうゆでも食べられるが、80℃で湯煎(直接火にかけない)すると、殺菌・風味が上がり、保存性が上がる。このブログの状況なら、火入れ推奨。火入れした醤油を、1~2日置いておくと、上と下に分離するので、上澄みだけ回収。

(醤油の常温での『消費期限(賞味では無い)』ですが、空気に触れると劣化する性質があるため、一升瓶や醤油瓶などに入れて空気を遮断しておけば、発酵食品のため常温でも数年保存が可能。改めて言うまでも無いが、現代なら開封後すぐに利用した方が良いに決まってます。簡単に入手・作れない世界なら出来なくも無いって話)

 

 

正直、記載してて自分でも思いますが、『種麹』を自然由来の稲コウジ病から採集する以外は、他の醤油作り・味噌作りと内容大して変わらないので、たくさん写真などが付いてる他の文献の方が分かりやすいかも。アウトプットも兼ねて記載してます。

工程大分多くて、忘れるかもしれないんですが、『忘れてる』と『知らない』は天と地ほどの差があると思いますので、実際異世界行った時に、なんかこんな感じだった気がするなぁって思い出せたら最高ですね。

知識覚えるうえで『興味がある』ってのが一番ですね。子供の頃から、醤油作り・味噌作りなんて、ちょっと調べれば分かる話なんですが、「ふ~ん?」ぐらいの感覚でしたね。味噌も醤油も工程多いし、創るの大変ですね、コレは。業者さんの努力などにより、毎日スーパーで簡単に買えることに再度感謝ですね。