異世界転生する前に

異世界転生する前に

異世界転生する前に現代社会の栄智を勉強しておきたい

硝石(硝酸カリウム KNО₃)

このブログでは①異世界転生した時、②世界人類が石化した時の2パターンを想定しています。①だったら仲間を探すのに『村』を見つける動きになるんですが、②なら復活液を作らなければなりません。素材は『硝酸』+『アルコール』⇒ナイタール液。

 

硝酸の創り方は、

オストワルト法・・・アンモニアを酸化させていく現代で最も使われている硝酸の生成法。アンモニアを800~900度で『白金(プラチナ)』を触媒に(以下略)

②空中窒素固定法(電狐法)・・・電狐、アーク放電の方が馴染深い。アーク放電を利用して本来電気を通さない空気に無理やり電気を通して(以下略)

原始時代とか縄文時代レベルを突き進んでる当ブログの現況じゃ絶対無理です。古代レベルでも一応誰でもトライ可能な方法は『古土法』になりますね。硝酸じゃなくて硝石(硝酸カリウム)っていう透明な石の結晶を創る工程になります。

(純硝酸:硝石+硫酸⇒硝酸 KNО₃(硝酸カリウム)+H₂SО₄(硫酸)⇒HNО₃(硝酸)+K₂SО₄(硫酸カリウム))

ドクターストーンの最序盤で洞窟の中にコウモリの糞から出来た『硝酸』を入手してましたね。自然界には硝酸塩が多く存在するため、あそこまでの状態はともかく『硝石』としてなら自然発生している可能性があります。文献には厠や家の下に自然発生した白い結晶(硝石)を子供の頃燃やして遊んでたって記載もあるくらいです。

 

硝酸カリウムには注意点があって①水に溶ける②植物に栄養として吸収されるの2つの性質があります。そのため、自然発生するには

・「雨が当たらない場所」

・「植物が周りに無い場所」

・「糞尿や死骸などでアンモニアや窒素が溜まりやすい場所」

という条件があります。

異世界』だったら『ダンジョン』とか『地下迷宮』の洞窟が条件満たしていると思います。アンデットはともかくゴブリンとかその辺だったら、間違いなく自然発生してます。自然発生してなくても、そこの土に硝酸塩が溜まっている可能性が高いので、その土から硝石を抽出できる可能性はかなり高いです。もしくは、雨の降らない、植物が生えていない砂漠とかですね。現代でもチリ硝石が砂漠から獲れることで有名ですね。

 

古土法

そういう施設がほぼ無いと思われる『日本』での硝石を創る場合を説明します。

用意するものは

・『動物の糞や死骸』(養蚕が盛んな場合は蚕の糞、家畜を飼ってる場合は家畜の糞などが利用しやすい。厠に出来るようにお薦めはしないが人間でも可。)

・『緑の葉っぱの植物』(硝酸塩を多く含む)

・『石灰 』(カルシウムのため。蚕の糞にはカルシウムも多く含まれるため、その場合は不要)

・『上記の硝酸塩がなるべく溜まってそうな土』(0から硝石を作る場合4~5年を擁する。一度硝石が出来るなどして細菌が活性化してると1~2年で済む)

・『人尿』(観光的には否定したいでしょうが、この工程自体がアンモニア硝酸カリウムに変えていく工程ですので、アンモニアが含まれている人尿が最大の肝かと思われます。多分、使わんと窒素が足りん。)

雨に濡れると硝酸イオンが流れてしまうので、雨に濡れない家の中の床下などで行うのが基本。

上記の素材を穴掘って混ぜる。この時重要なのは土の中に酸素を送れるようになっていること。そのため、春・夏・秋と混ぜ直し原料を加えます。

(酸素が不足すると硝酸イオンNО3-じゃなくてN2になって窒素ガスとして抜けてしまうため)

上手くいけば0から作る場合は4~5年、一度作った土からは1~2人で硝石を抽出出来るようになります。

 

上記のダンジョンなどの土、または古土法から『硝石』を抽出する方法。なお、冷やす効率を考えると『冬』に行う方が効率的です。

①下に栓をした樽の中に上記の土を入れ水を土より軽く上になる程度注ぐ。その状態で一晩置く。一晩置いたら、下の栓を抜き、そこから流れる水を回収。一度だけではなく二度目も硝酸イオンを回収できるため、二度行うと効率がいい。

②木灰と混ぜて沸騰させて濃縮していく。十二分に水分を飛ばしたら、それを布で濾過して一晩寝かすと結晶を回収出来ます。

※純度を高めたい場合は煮立てる⇒濾過するを繰り返す。

 

先述の通り、水に溶ける・植物に吸収されるので土器に蓋して密封で保管するのが妥当かと思います。間違えて食べても害はありませんが。

硝酸カリウム』って何に使うの?に関しては一番は『黒色火薬』になると思います。二番は希硫酸と混ぜて『硝酸』。他には食品添加物・肥料・歯ブラシ・強化ガラスなんかにも使えますが、差し迫ってはいないですし、労力考えたら割に合わないですね。

 

 

内容だけ見ると大したこと書いて無いんですが、かつてないほど化学っぽくて大変でしたね。面白い反面、頭痛がしてました。オストワルト法とかアーク放電を高校の授業でやった覚えが1mmも無いんだが。

コウモリの糞から出来る液体って硝酸というか硝酸カルシウム?みたいな硝酸の成分が含まれたものって表記が正しいのかもしれないけど、今回の記述にはあまり関係なさそうなのでスルーします。